ズオラ / ZUO:注目のテクノロジー銘柄の決算分析と今後の株価見通し(Zuora)

Ticker: ZUO / 3367文字 / 所要時間7分程度 / 強気

サマリー

  • ズオラは世界中の企業にサブスクリプション自動化ソフトウェアを提供するテクノロジー企業である。
  • 同社は着実に売上高の成長を遂げ、営業損失を削減し、さらに、経営陣は最近フォワード・ガイダンス(見通し)を引き上げている。
  • 同社の成長見通しと2024年のバリュエーション倍率の上昇の可能性を考慮すると、同社に対する私の見通しは「強気」である。

ズオラ(ZUO)は11月29日、2024年第3四半期決算を発表し、売上高とコンセンサス利益の予想を上回った。

同社は世界中の組織に、サブスクリプション自動化ソフトウェアを提供している。

そして、同社は着実な成長を続けており、営業損益分岐点に向けて前進している。

最近の市場のアナリストによる見通しの引き上げと、資本コストの低下により2024年のバリュエーション倍率が上昇する可能性から、同社株式に対して、私は「強気」に見ている。

ズオラの概要と市場

ズオラは、企業がサブスクリプション型サービスを立ち上げ、管理するためのクラウドベースのサブスクリプション管理ソリューションを提供するアメリカの企業向けソフトウェア会社である。

同社は2007年に設立され、カリフォルニア州レッドウッドシティに本社を置いている。

CEOは ティエン・ツオ氏であり、以前はセールスフォース・ドットコムの初期幹部で、同社の最高マーケティング責任者を務めていた。

同社は、Zuora Platform、Zuora Billing、Zuora Revenue、Zuora Collect、Zephrなどの見積から現金化までのアプリケーションを提供している。

また、Zuora Technical Account ManagersやManaged Servicesなどの新しいサービスも提供している。

DataInteloが発行した市場調査レポートによると、世界のQ2C(Quote-to-Cash)ソフトウェア市場は 、 2021年には 8億6,040万ドルで、2028年には 約20億ドルに達すると予測されており、2021年から2028年の予測期間中の 年平均成長率は12.9%となっている。

ビジネスプロセスの自動化や、顧客取引の管理に対するより積極的なアプローチのためにQ2Cソフトウェアの採用が増加していることが、Q2Cソフトウェア市場の成長を促進する主な要因となっている。

また、クラウドベースのソリューションは、初期投資を抑えながら拡張性やパフォーマンスが向上し、ユーザーがいつでもどこからでもアクセスできるといった利点があることも、市場を牽引している。

市場はクラウドベースのソリューションとウェブベースのソリューションに区分され、クラウドベースのソリューションでは、低い初期投資でより優れたスケーラビリティとパフォーマンスが期待できる一方、ウェブベースのソリューションでは、インフラコストの削減や迅速な導入など、従来のオンプレミス・ソリューションに比べて幅広いメリットとコスト削減が期待できる。

世界のQ2Cソフトウェア業界で競合する主要企業には、ConnectWise, Inc.、Oracle Corporation(ORCL:オラクル)、Simplus(Infosys)、SAP SE(SAP)、CloudSenseなどが挙げられる。

以下に、各社の関連製品やサービスを紹介したい。

  1. ConnectWise:営業、マーケティング、カスタマーサービスなどの業務管理を支援するソフトウェア・ソリューション・スイートを提供。
  2. Oracle Corporation:Q2Cソフトウェアなど、企業向けのクラウドベースのソフトウェア・ソリューションを提供。
  3. Simplus(Infosys):営業プロセスの自動化を支援するクラウドベースのQ2Cソフトウェア・ソリューションを提供。
  4. SAP SE:Q2Cソフトウェアなど、企業向けの様々なソフトウェア・ソリューションを提供。
  5. CloudSense:クラウドベースのQ2Cソフトウェア・ソリューションを提供。

ズオラの最近の財務動向

四半期別の総収入(黒色の線:Total Revenue)は、やや緩やかだが着実に伸びており、四半期別の営業利益(水色の線:Operating Income)はマイナスが続いているが、損益分岐点に向けて前進している。

また、四半期別売上総利益(黒色の線:Gross Profit)は大幅な伸びを続けており、四半期別販売費および一般管理費(水色の線:Selling General & Admin Expenses)はここ数四半期で大幅に減少している。

さらに、希薄化後1株当たり利益(EPS)はここ数四半期で損益分岐点に向けて着実に前進している。

(上記グラフのデータはすべて百万USD単位・GAAPベース)

一方で、過去12ヶ月で、ズオラの株価は27.2%上昇したのに対し、iシェアーズ・エクスパンデッド・テクノロジー・ソフトウェアETF (IGV)は57.1%上昇している。

ズオラの評価のバリュエーションとその他の指標

以下は、同社に関連するバリュエーションの表である。

成長、利益、フリー・キャッシュ・フローに余裕のある前提を用いたDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)に基づくと、同社の株価は、現在 の8.59ドルに対し約9.24ドルで評価されることになり、現在過小評価されている可能性がある。

また、40%ルールとは、ソフトウェア業界の経験則であり、売上高成長率とEBITDA成長率の合計が40%以上であれば、その企業は、ソフトウェア企業として、許容できる成長とEBITDAの軌道に乗っていることを示すものである。

下表のように、同社の直近の調整前40%ルールの計算値は、2024年第3四半期決算時点で3.4%であったため、この点ではパフォーマンスが低いことが分かる。

ズオラに関するコメント

市場のアナリストとの直近の決算電話会議において、経営陣の準備発言は以下のように発言している。

収益の伸び

サブスクリプション収入は9,800万ドル、恒常為替レートベースで前年比14%増。総売上は1億980万ドルで、前年比9%増。

経営陣は、通年のサブスクリプション収入ガイダンスを3億8,250万~3億8,350万ドルに引き上げ、2024年度のARR(年間経常収入)成長率を約12%と予想。

同社は、現在の環境を踏まえると、ARRの伸びは当面12%程度で横ばいになる可能性があると考えている。

受注残

残存履行義務(RPO)合計は前年比20%増。非継続RPOは複数年の契約拡大により前年比28%増。

予約

平均契約額50万ドル以上の案件を7件計上し、前年同期の6件を上回った。100万ドル超の案件は2件で、前年同期と同水準であった。

コスト/費用の変動

第3四半期のNon-GAAPベースの営業利益率は15%で、前年同期から1,400bp近く改善。

経営陣は通期のNon-GAAPベースの営業利益率ガイダンスを10%~11%に引き上げた。

また、経営陣は経済的状況にかかわらず、2025年度に営業利益率のさらなる改善を推進する計画である。

ズオラは、453社の顧客が250,000ドル以上のACV(顧客1人あたりの年間契約額)を利用し、第3四半期を終了した。

キャッシュフロー

第3四半期の調整後フリーキャッシュフローは1,270万ドルの黒字で、昨年より2,000万ドル近く改善し、通期の調整後フリーキャッシュフローのガイダンスを1四半期早く上回った。

経営陣は通年の調整フリーキャッシュフローのガイダンスを2,800万ドルから3,700万ドル以上に引き上げた。

貸借対照表

ズオラは、シルバーレイクからの2回目の資金調達と訴訟和解金の支払い完了により、4億9,370万ドルの現金および現金同等物で第3四半期を終えた。

売上高ガイダンス

第4四半期のサブスクリプション収入は9,930万~1億300万ドルと予想。

市場のアナリストは、業界別のフォーカス、今後の見通し、中小企業獲得戦略など、さまざまなトピックについて同社首脳に質問した。

ズオラのCEOは、テレコム部門での成功と成長について、テルス社ともう1社、無名のテレコム企業との提携を挙げている。

トッド・マッケルハットンCFOは、ズオラの見通しについて、売上とARRのレンジを引き締めたが、これは販売サイクルの長期化とマクロ環境を考慮した適切な保守的なアプローチを反映したものだと述べている。

また、複数の幹部は、過去最大の自動車メーカーとの契約更新やトップクラスのソフトウェア企業との関係拡大など、同社の好調な契約の更新と拡大を強調した。

ズオラはパートナー第一の戦略を堅持しており、可能な限りパートナーが導入を主導することを望んでいる。

今後の見通しとしては、経営陣によるフォワード・ガイダンスの引き上げ、アナリストによる新たな見通しの引き上げに加えて、同社の資本コストの低下が予想されることからも、私の同社に対する見通しは「強気」である

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アナリスト紹介

Donovan Jones ドノヴァン・ジョーンズ
拠点:米国
セクター:テクノロジー・IPO

ジョーンズ氏は、米国を拠点とする株式リサーチのスペシャリストであり、15年にわたり、米国のソフトウェア関連企業やIPO企業の投資を分析。主に、「高成長テクノロジー銘柄」、「消費者関連銘柄」、「資本財・サービス関連銘柄」、「メディア関連関連」、「ライフサイエンス銘柄」に焦点を当て、ファンダメンタル分析を用いて企業分析を実施。

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