【米国株式市場見通し】SPY:ツヴァイク・ブレッド・スラスト、稀に見る強気シグナルが発動

Ticker: SPY / 1747文字 / 所要時間4分程度 / ローレンス・フラー氏

サマリー

  • 先週の上昇局面では、今後6ヵ月間と12ヵ月間に渡り、非常に強気な意味合いを持つ、珍しいテクニカル指標が発動された

先週の記録的な上昇の後、10年物国債利回りが4.65%まで上昇したにもかかわらず、主要市場の平均株価が6営業日連続でプラスで引けたことは喜ばしい。

今週は、水曜と木曜のパウエル議長のスピーチを含め、複数のFRBメンバーが公の場で発言することから、このラリーが維持できるか否かは、残りの週で試されることになるだろう。

市場が来年以降、6月の利下げを皮切りに4回もの利下げを予想している今、FRBはリスク資産への意欲を削ごうとしているのではないかという懸念が高まっている。

これは、以前から私が予想していたことだが、FRBは、金融市場を取り巻く環境が、過度に早く緩和され過ぎない範囲内で、リスク資産が上昇することを望んでいる。

その為、タカ派的なレトリックが増えるのは避けられないと見ている。

私は先週の上昇の前に、強すぎる経済はやがて弱すぎる経済になるという根拠から、ベア(弱気派)達は、金利に関する警告の叫びを、「より長い期間継続する、より高い金利水準による市場への影響」から「短期間の間に急激に下がる金利がもたらす市場への影響」へと変化させるだろうと予想した。

実際に、金曜日の雇用統計報告後、失業率が3.9%に上昇したことから、それほど時間がかからなかった。

この結果は、Sahm’s Rule(サムの法則)を発動させる恐れが高まったと解釈された。

この法則は、失業率の3ヶ月移動平均が、過去12ヶ月間の最低値から0.5%以上上昇した場合、景気後退が始まるというものである。

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失業率の下限は3.4%だが、その水準を0.5%上回る一方で、3ヵ月移動平均はわずか0.33%しか上昇していない。

この指標を開発した元FRB高官クラウディア・サームは、その法則は「発動しておらず、また、瀬戸際にあるわけでもない」と述べている。

だからといって、弱気相場への恐怖を煽る連中が騒ぐのを止めることはできない。

しかし、それでいいのである。

なぜなら、上昇トレンドを維持するためには、健全な量の懐疑論が必要だからである。

そして、今日の私達には、間違いなく、十分な数の懐疑論が存在している。

さらにポジティブな点としては、先週の上昇でMarket Breadth(市場の幅)が劇的に改善し、これは、より多くの株式が取引されたことを意味する。

この改善はあまりに劇的で、NY証券取引所で上昇した銘柄数を、NY証券取引所に上場している全銘柄数で割った10日移動平均が大幅に上昇した。

センチメントの急激な変化で、その割合は40%以下から61.5%以上に上昇したのである。

そして、これが、伝説の投資家Marty Zweig(マーティ・ツヴァイク)にちなんで名付けられた「Zweig Breadth Thrust(ツヴァイク・ブレッド・スラスト)」として知られる買いシグナルの引き金となった。

第二次世界大戦以降のS&P500種株価指数において、このシグナルが発生してから6ヶ月間と12ヶ月間のリターンを見ると、100%の確率で上昇している。

そして、私自身も、このシグナルには逆らいたくないというのが本音である。

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テクニカル分析の側面を更に強化する材料として、ラッセル2000指数は先週、昨年6月のベアマーケット時の底からの取引レンジの下限をキープした後、8%以上急上昇した。

SentimenTraderは反発後、ラッセル2000指数が52週間ぶりの安値で取引を終えた直後に、少なくとも3ヵ月間で最高の4日間の上昇を記録したのは今回が24回目であると指摘した。

それ以前の23回では、1年後の上昇率は100%で、上昇率の中央値は25.6%だった。

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最近の経済指標は、全般的に明らかに弱含みであることから、ハードランディングや景気後退の可能性を示唆しているようにも見える。

しかし、依然として、ソフトランディングを実現する上で必要なだけの力強さも維持していることから、ソフトランディングの可能性も十分にあると見ている。

というのも、今後6~12ヵ月に渡って、株式市場がプラスのリターンを上げるということは、景気拡大が続くことを示唆しているからである。

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アナリスト紹介

Lawrence Fuller ローレンス・フラー
拠点:アメリカ
セクター:米国マクロ経済

フラー氏は、インベストリンゴにて、米国マクロ経済・大型株に関する執筆を担当。1993年に、メリルリンチ証券でファイナンシャル・コンサルタントとしてキャリアをスタート。その後、ファースト・ユニオン・ブローカレッジ、モルガン・スタンレー証券、INGグループで同職を務め、30年以上にわたり個人投資家顧客の投資ポートフォリオを管理。2005年には、Fuller Asset Management LLCを設立。更に、2013年より、米国金融ニュースサイト「Seeking Alpha」にて、米国投資家に対して、マクロ経済・投資リサーチの提供を開始し、現在では、14,000人以上のフォロワーを獲得。ノースカロライナ大学チャペルヒル校を卒業、政治学の学士号を取得。

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