【米国株式市場見通し】SPY:インフレ・ショックで株価は急騰、年末ラリーに期待が高まる

Ticker: SPY / 1518文字 / 所要時間4分程度 / Buy / ローレンス・フラー

サマリー

  • 10月のインフレ率は、市場予想以上に低下したことが示された
  • 結果として、債券利回りは急落し、株価は急騰する展開となった

明らかに市場コンセンサスに対してショックな内用ではあったが、インフレ率は予想以上に低下したことが示された。

私はこの1年間、インフレ率は上昇と同時に低下すると説いてきたが、今回の報告は、その私の主張を裏付けるものだった。

10月の消費者物価指数(CPI)は横ばいとなり、予想の0.1%上昇を下回ったため、前年同月比は3.7%から3.2%に低下する着地となった。

夏の終わりの原油高騰に煽られたエネルギー価格の一時的な反発は、足元で方向転換し、ディスインフレ傾向の再開を促している。

実際、EIAの最新報告によると、ガソリンの小売価格は、過去1年間で7.2%下落している。

ここでより重要な点は、食品とエネルギーを除いたコアCPIで、僅かに0.2%の上昇と、予想の0.3%上昇を下回り、前年比4.0%の着地となったことである。

コアCPIが2年ぶりの低水準に落ち込んだことで、ディスインフレ傾向は依然維持されていることが分かる。

最も影響力のあるコアCPIを上昇させる要因は、シェルターコスト(住宅コスト)であり、ここでは素晴らしいニュースがある。

実際の家賃とCPIの住宅コストの相関関係はよく知られている。

過去1年間のコアCPIの上昇の70%は、シェルター・コストが占めている。

そして、現在の賃貸料は、足元で6.7%上昇したシェルター・コストが、今後6~9ヵ月間の間で急落することを示している。

来年前半にシェルター・インフレ率が年率換算で3%まで低下すれば、現在のCPIのコア率から1.7%も低下する可能性がある。

そうなれば、FRBの目標である2%に大きく近づくことになる。

関連記事:米国株式市場見通し

【米国株式市場見通し】SPY:足元の過熱感より、少し警戒が必要

【米国株式市場見通し】SPY:短期的には警戒が必要か

【米国株式市場見通し】SPY:インフレとの戦いは終了

本日のCPI発表を受けて、利上げに関する議論は終了したと見ている。

また、利上げが長期化するという議論も終わるはずである。

このため、今朝はイールドカーブ全体の金利が急落し、2年物利回りは5%を大きく割り込み、株価先物は急騰している。

インフレ目標の2%が目前に迫っているため、来年の第2四半期には利下げが始まるだろう。

ニューヨーク連銀が発表した最新の消費者調査によると、今後1年間の物価上昇率は3.7%から3.6%に低下した。

これは、市場の物価上昇への期待値が引き続き安定したものであることを確認したいFRB当局者にとっては、正しい方向へ向かう上での、重要なステップである。

ディスインフレ傾向の失速は、エネルギー価格の一時的な高騰と、第3四半期の経済成長率が4.9%まで急上昇したことによる。

これは主に個人消費によるものであり、今後も繰り返されることはないだろう。

金融引き締めが徐々に効いてくるため、成長率が以前よりも大幅に鈍化することは間違いない。

足元で株式市場が反発しているのは、市場コンセンサスが、利上げサイクルは終わり、今後、利下げが待っていると確信しているからである。

景気拡大がトレンドを下回るペースであったとしても継続するのであれば、ソフトランディングは株式と債券に魅力的なリターンをもたらすだろう。

米国個人投資家協会が先週実施した調査では、楽観的な見方が大幅に増加したことが分かった。

強気派の割合は、僅か1週間で24.3%から42.8%へと上昇し、これは2009年の大金融危機から市場が立ち直りつつあった時以来、週間ベースで最大の上昇率だった。

今回は、ウォール街よりも一般大衆の方が一歩先を行っていたようである。

プロの資産運用の専門家達は、このところ極めて弱気であることを踏まえると、これは年末ラリーの燃料が十分に残っていることを意味すると見ている。

関連記事:米国株式市場見通し

【米国株式市場見通し】TLT:債券市場のラリーは一旦終了

【米国株投資】米国株式市場見通し / SPY:タカ派はハト派に転じる

【米国株式市場見通し】SPY:2024年の景気後退指標に注目

免責事項:ローレンス・フラーは、アメリカ合衆国で登録された投資顧問会社、Fuller Asset Management(FAM)のマネージング・プリンシパルです。本情報は、幅広い読者を対象とした教育目的にのみ提供されることを意図しております。その為、本情報は、特定の証券、投資、または、投資戦略を勧誘するものではございません。更に、FAMは、税務、法律、会計に関するアドバイスを一切行っておりません。投資には常にリスクが伴い、リターン、あるいは、元本が保証されているものではない点にご留意ください。FAMは、公正でバランスの取れた方法で情報を提供しております。その為、FAMは、本レポート上の情報が、虚偽、または、重大な誤解を招く記述、または、事実の省略を含んでいないと合理的に認識しております。また、特定の投資助言による過去のパフォーマンスは、特定の状況や市場の出来事、投資の性質やタイミング、投資に関連する制約についての知識がない限り、依拠すべきではありません。FAMは、チャート、グラフ、計算式、推奨銘柄について、説明・提示をすることがありますが、それ自体が、どの証券を売買すべきか、あるいは、いつ売買すべきかを決定するために使用されることを意図したものではございません。このようなチャートやグラフは、限られた情報しか提供しないため、それだけで投資判断をすべきではありません。その為、実際に投資をされる際には、資格を有する金融の専門家にご相談されることを強くお勧めします。ここに記載された意見はあくまでも当社のものであり、予告なしに変更されることがあります。また、言及された意見は、発表日時点のものであり、市場や経済状況の変化により変更される可能性があり、更に、必ずしもその通りになるとは限らない点にもご留意ください。

アナリストによる開示:私はこの記事で言及されている企業の株式に関するポジションを現時点で保有しておらず、また、今後5日以内にそのようなポジションを持つ予定もありません。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

インベストリンゴによる開示:インベストリンゴは、当社コンテンツ・クリエイターが、自身の専門・得意領域に関する情報・知識を、当社のユーザーと共有する事を目的とする米国株特化型のコミュニティです。本サイトのコンテンツは、投資教育、並びに、投資情報の提供のみを目的としており、特定の投資家に対して、投資、税務、法律等のアドバイスを提供することを意図しておりません。加えて、Investlingo Japan合同会社は、日本においてライセンスを保有する証券会社、投資顧問業者、または、投資銀行ではございません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも、各コンテンツ・クリエーター個人の見解であり、Investlingo Japan合同会社の立場を反映しているものではございません。当社のコンテンツ・クリエーターは、個人投資家を含む独立したブロガー・アナリストから構成されており、公的機関等からの金融関連のライセンスを取得していない場合もございます。その為、本サイト上のいかなる情報も、インベストリンゴ、または、弊社プラットフォーム上の第三者による、金融商品の推奨、或いは、投資助言として解釈されるべきではありません。インベストリンゴは、弊社プラットフォーム上の情報に基づいて行われるいかなる投資決定に対して、一切責任を負わず、各ユーザーが単独で責任を負う点にご留意ください。

アナリスト紹介

Lawrence Fuller ローレンス・フラー
拠点:アメリカ
セクター:米国マクロ経済

フラー氏は、インベストリンゴにて、米国マクロ経済・大型株に関する執筆を担当。1993年に、メリルリンチ証券でファイナンシャル・コンサルタントとしてキャリアをスタート。その後、ファースト・ユニオン・ブローカレッジ、モルガン・スタンレー証券、INGグループで同職を務め、30年以上にわたり個人投資家顧客の投資ポートフォリオを管理。2005年には、Fuller Asset Management LLCを設立。更に、2013年より、米国金融ニュースサイト「Seeking Alpha」にて、米国投資家に対して、マクロ経済・投資リサーチの提供を開始し、現在では、14,000人以上のフォロワーを獲得。ノースカロライナ大学チャペルヒル校を卒業、政治学の学士号を取得。

上部へスクロール