ユナイテッド・マイクロエレクトロニックス / UMC:インテルとの提携で注目の半導体・AI関連成長株の最新の決算分析と今後の株価見通し – Part 1(2024年2月8日 / United Microelectronics)

Ticker: UMC / 4095文字 / 所要時間8分程度 

サマリー

  • UMCの最近の決算説明会では、インテルとの提携に焦点が当てられた。
  • インテルと同社の最新のファウンドリ契約は、12ナノメートルプロセスプラットフォームでの協業に関わるもので、タワー・セミコンダクターとの以前の提携とは技術面でも製造面でも異なっている。
  • このパートナーシップは、インテルの製造能力と同社のプロセス・リーダーシップを活用することを目的としており、2027年に生産を開始する予定であることから、この契約における同社の重要な役割が強調されている。

UMCの概要

ユナイテッド・マイクロエレクトロニックス(UMC)は先週決算を発表したが、決算説明会、特にQ&Aは、最近発表されたインテル(INTC)との提携に完全に支配されていたため、本稿では、決算ではなく、主にその提携に焦点を当てることにした。

一言で言えば、タワー・セミコンダクター(TSEM)との提携発表から半年も経たないうちに、インテルは2024年1月24日に台湾の同社との新たな提携を発表した。

タワー・セミコンダクターとUMCの取引には類似点があるが、性質と構造において根本的に異なっている。

現時点では、インテルは2030年までに世界第2位のファウンドリー・プレイヤーになるという目標を達成するために、4つ以上の明確な戦術を展開していると考えられる。

そして、それは以下の通りである。

  1. 小規模なセカンド/サードティアのファウンドリープレーヤーを買収する(例:2023年のTowerの買収失敗)
  2. セカンド/サードティアのファウンドリ・プレーヤーと提携し、同社のプロセス技術を使用して同社に代わって製品を製造することで、既存の未使用の製造能力を活用する。
  3. UMCと提携し、共同で新しい特殊技術プロセスを開発し、その技術に基づく製品をUMCの代理として、また自社の代理としても製造する。
  4. 自社の最先端プロセス技術(18Aなど)を活用し、新規顧客に代わって製品を製造する。その際、顧客からの前払い金を活用して、生産能力やコミットメントなどを保証する。

厳密には、第5の戦術を加えることもできる。すなわち、インテルが現在メディアテックのために行っているように、自社(インテル)の22nmプロセス、別名16nmのカスタムバリアントを開発し、メディアテックに代わってそのプロセスノードで製品を製造することである。

では、UMCがファウンドリーの競争相手であると同時にファウンドリーの顧客でもあるという境界線を、またもや曖昧にしてしまったインテルの最新のファウンドリー契約をどう考えればいいのだろうか。

UMCの収益に関して

まず業績から見てみよう。

2023年度第4四半期の売上高は前四半期比3.7%減、前年同期比19%減の549.6億台湾ドル(17.9億米ドル)となっている。

当四半期のウエハー出荷量は前四半期比2.5%減少し、工場全体の稼働率は66%にわずかに低下した。

これらの数字は、ほぼ事前のガイダンス通りであった。

2023年通期の売上高は、ウエハー出荷量が27%減少したことを反映した稼働率の低下により、前年同期比20%減の2,220億台湾ドルとなった。

そして、同社のジェイソン・ワン最高経営責任者(CEO)は、今年度の業績について次のように述べている。

「全体として、2023 年は厳しい外部環境に直面しながらも 同社が財務上のレジリエンスを示した年であり、2023 年の稼働率が大幅に低下したにもかかわらず、年間34.9%の売上総利益率を達成することができた。この回復力は、技術革新による差別化、顧客との相乗効果および密着性の強化、優れた製造品質とコスト削減のたゆまぬ追求によるものである。その結果、製品ミックスと顧客ポートフォリオが改善し、2023年のASPは一桁増となった。」

UMCのガイダンスに関して

2024年度第1四半期に関して、UMCは基本的に同様の見通しを立てている。

そして、同社は下記の通り述べている。

「それでは、2024年第1四半期のガイダンスに移ろう。ウエハー出荷枚数は2%から3%増加する。売上総利益率は約30%。稼働率は 60%台前半となる見込みです。2024年の現金ベースの設備投資予算は33億ドルです。」

したがって、このガイダンスに基づけば、前四半期比で2~3%の減収、稼働率は前四半期の66%から62%程度に低下すると予想される。

興味深いのは、同社がマクロ的な逆風や在庫問題などについて語ることをほとんど控えていることである。

まるで、以前にも同じようなことを言ったと知っていて、いつになったらビジネスが実質的に改善するのか見当もつかないという事実をただ諦めているかのように見える。

同様に興味深いのは、ここ1年以上厳しい事業環境が続いているにもかかわらず、2024年の設備投資額が前年比10%増の33億ドルになるという事実である。

インテルとUMCの提携に関して

去る1月24日、インテルとUMCはファウンドリーパートナーシップ契約を共同で発表した。

そして、主な内容は以下の通りであった。

  • 両社は、高成長市場をターゲットとする12ナノメートルプロセス・プラットフォームの開発で協力する。
  • 今回の提携は、インテルが台湾の革新的な企業と提携することで、グローバル顧客により良いサービスを提供し、ファウンドリー顧客向けに成熟したプロセス能力を拡大することを目指すというインテルのコミットメントに基づくものである。
  • 今回の提携は、地理的に多様な半導体サプライチェーンへの顧客アクセスを拡大する。
  • 協業は、UMCにさらなる生産能力を提供し、開発ロードマップを加速させ、主導的なプロセス技術の研究開発を実証することに繋がる。

前述の通り、今回の提携は、タワー・セミコンダクターとの提携とは下記の2つの点で異なる。

  1. タワー・セミコンダクターの提携がタワー・セミコンダクター独自のプロセス技術を活用するのに対し、UMCとの提携は12nmと呼ばれる全く新しいプロセスの共同開発を伴う。
  2. タワー・セミコンダクターとの契約では、インテルがタワー・セミコンダクターのために製品を製造するのに対し、UMCとの契約では、インテルは共同開発した12nmプロセスで、自社の顧客向けに自社製品も開発できる。

このパートナーシップがどのように運営されるかについては、まだ明らかにされていない詳細がたくさんある。

例えば、価格設定、さらに、どちらかが特定の約束を守れなかった場合の違約金等が挙げられる。

しかし、UMCの決算説明会から大まかなスケジュールはわかっており、同社は下記の通り述べている。

「この12ナノメートルは、長期的なコミットメントであり、両者にとってのチャンスであると見ている。将来的な収益機会に関しては、勿論そうなることを望んでいるが、おそらく将来的なものになるだろう。もし何かアップデートがあれば、喜んで報告したいと思っている。マイルストーンについては、おっしゃるとおり、この共同開発プログラムには非常に包括的なプロジェクトのマイルストーンがある。主要なマイルストーンとしては、2025年にプロセスを凍結し、その後に顧客エンゲージメントの準備をすべて整え、できれば26年にパイロット、27年に生産(これは我々が報告したものと一致している)したいと考えている。」

以上より、基本的に生産開始はまだ3年以上先のことになる。

また、プレスリリースにはもう少し詳細がある。

「12nmノードでは、インテルの米国を拠点とする大量生産能力とFinFETトランジスタ設計の経験を活用し、成熟度、性能、電力効率の強力な組み合わせを提供する。この生産には、UMCの数十年にわたるプロセス・リーダーシップと、ファウンドリ・サービスを効果的に提供するためのプロセス・デザイン・キット(PDK)と設計支援を顧客に提供してきた歴史が大きく寄与すると見ている。新しいプロセス・ノードは、アリゾナ州にあるインテルのオコティロ・テクノロジー・ファブリケーション・サイトのファブ(製造工場)12、22、32で開発・製造される。これらのファブの既存設備を活用することで、先行投資要件を大幅に削減し、稼働率を最適化できると見ている。」

UMCのファウンドリー経験をアピールしていることからも、インテルはその経験を自社のファウンドリー構想に活用する機会を重要視しているようである。

このパートナーシップ契約の製造拠点は、アリゾナ州オコティロにある3つのファブ、ファブ12、22、32である。

ちなみに、私は1996年にファブ12で働いていたことがある。

もう30年近く前のことである!

ファブ12はアイルランドのファブ14の姉妹ファブであった。

ファブ12での私の役割は、ファブ14に代わり、「オートメーション・トランスファー・マネージャー」として、つまり、すべてのファクトリー・オートメーション・システムを学び、それをシームレスにファブ14に戻す責任者であった。

その間に、ファブ22とファブ32という2つの工場がオコティロ・キャンパスに追加されている。

ここで重要なのは、これらの工場が古いということであり、かなり長い間休眠状態であった可能性が高い。

これについては後で詳しく説明したい。

この提携に関する分析を始めるにあたり、インテルとUMCのそれぞれの決算説明会での言及から始めたい。

UMCはインテルの電話会議で3回、インテルはUMCの電話会議で24回言及されている。

あなたはこれをオルタナティブデータ分析アプローチと呼ぶかもしれない。

しかし、私は妥当だと思っている。

この取引は、UMCにとって、インテルよりもはるかに大きな意味を持つ。

これについてはまた後ほど説明したい。

※続きは「ユナイテッド・マイクロエレクトロニックス/ UMC:インテルとの提携で注目の半導体・AI関連成長株の最新の決算分析と今後の株価見通し – Part 2(2024年2月8日 / United Microelectronics)」をご覧ください。

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アナリストによる開示:私はUMCに関するロング・ポジションを現在保有しております。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

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アナリスト紹介

William Keatingウィリアム・キーティング
拠点:香港
セクター:半導体・テクノロジー

キーティング氏は、半導体とテクノロジーのリサーチ&コンサルティング会社であるIngenuity (Hong Kong) Ltdの創立者兼CEO。半導体業界において重要性の高いニッチなテーマを専門にする。主に、インテル、AMD、サムスン、アップル、マイクロン等の企業や、ASML、AMAT、キヤノン、ニコンなどの主要機器サプライヤーの製品、ロードマップ、技術に焦点を当てたリサーチ、並びに、コンサルティング・サービスを提供。

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