テナブル/ TENB / 中立:最新の23年度第4四半期決算分析と今後の株価見通し(Tenable)

Ticker: TENB / 3004文字 / 所要時間6分程度 / 中立

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サマリー

  • テナブル・ホールディングス(TENB)は、2024年2月6日に23年度第4四半期決算を発表している。
  • 同社はクラウドとOT(オペレーショナル・テクノロジー)セキュリティ分野ではセカンド・ティアのプレーヤーだが、4万社の顧客にクロスセルが可能なため、更なるリターンの可能性がある。
  • 同社のプラットフォーム拡大とクロスセスの機会は、売上高成長と利益率の改善につながる可能性がある。
  • 最近の買収と戦略的動きは成長の可能性を示しているが、WizやOrcaのようなBest of Breedベンダーとの競争に直面しているというのも現状である。

テナブル・ホールディングスに関して

テナブル・ホールディングス(TENB)は、同社のNessusスキャン・ツールを使用する約4万社の顧客を持つオンプレミスVM(Vulnerability Management:脆弱性管理 )市場の大手企業であり、近年はクラウド・セキュリティとOTセキュリティ市場に大きく進出している。

確立された顧客基盤を持つ同社は今、クラウドやOTソリューション向けに再利用されたVM機能をクロスセルする絶好の機会を手にしている。

市場全体を獲得することはできないかもしれないが、既存の関係や足元のベンダーの統合の傾向から、このような新サービスを提供することで、既存の顧客層におけるかなりの部分を獲得することができる可能性がある。

VM市場におけるライバルであるクォリス(QLYS)と同社を比較すると、両社の戦略的な違いが見えてくる。

クォリスがクラウドセキュリティで先行しているのに対し、テナブルは参入が遅れたため、同市場で同社の既存顧客基盤にアクセスするためにM&Aを積極的に行うことで補っている。

しかし、クォリスはより多くのクラウドネイティブの統合を誇り、クラウドからの売上高の割合が大きいため、テナブルに比べて市場では高いバリュエーションを得ている。

しかし、テナブルはこれまでプラットフォーム開発で後れを取っていたものの、他のサイバーセキュリティ・ベンダーと同様に大きな進歩を遂げてきた。

結果として、同社の拡大したプラットフォームは、膨大な顧客ベースと相まって、健全なクロスセルの可能性を示しているように見える。

ただし、顧客の導入規模が未知数であることや、パロアルトネットワークス(PANW)のような既存プレーヤーとの競合など、課題も存在する。

財務面では、同社の成長軌道は有望で、従業員1人当たりの売上高は着実に増加している。

GAAPマージンがマイナスであるため、株価は急成長を反映していないが、効率的な基礎事業は将来の収益性の可能性を示唆していると見ている。

クロスセルとプラットフォームの拡大は、フォーティネット(FTNT)のようにさらなる成長を促進する可能性がある。

本稿は、割安なバリュエーションのみに基づいているわけではなく、今後の売上高の上振れと利益率の改善を見込んでいる。

特に、OTおよびクラウドセキュリティ市場における同社のビジネスチャンスを重視している。

新規顧客の獲得には苦戦するかもしれないが、同市場におけるセカンド・ティアからファースト・ティアへの移行は、特にクラウドとOTセキュリティ・セグメントから期待される市場の成長と売上ポテンシャルを踏まえると、同社の現在のバリュエーションを魅力的なものにするのではないかと見ている。

結論として、テナブルの成長ポテンシャルは大きく、クロスセルと新市場への拡大によってその成長ストーリーは裏付けられている。

課題もあるが、同社の成長分野への投資とレガシー市場での停滞回避を試みる戦略を踏まえると、同社株式のリスク・リターンは良好と思われる。

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テナブル・ホールディングスの23年第4四半期・23年度通期業績に関して

2023年第4四半期決算において、テナブル(TENB)は様々な指標で予想を上回った。

Non-GAAPベースの1株当たり利益(EPS)は、予想の0.14ドルに対して0.25ドルとなり、予想を大幅に上回った。

当四半期の売上高は2億1,300万ドルで、前年同期比15%の堅調な伸びを示し、ガイダンスを660万ドル上回った。

また、Non-GAAPベースのEBITは3,600万ドルに達し、前年同期比でほぼ倍増した。

そして、利益率も予想を550ベーシスポイント上回った。

同社の株価は2023年第4四半期決算後に約10%上昇したが、これはプラットフォーム事業における業務効率の高さが投資家の関心を集めたためである。

同社は当四半期に597の企業顧客と156の6桁台(10万ドル以上)の売上高を獲得している新規顧客を獲得し、前四半期と比較して大きな勢いを示す結果となった。

さらに、新規売上高の50%は、クラウド、OT、アイデンティティ・ソリューションなど、中核となるVM以外の分野からもたらされている。

統合プラットフォームであるTenable Oneは売上高の22%を占め、最近発表されたばかりの製品であることを考えると、これは驚くべきことである。

好調な業績にもかかわらず、注目すべき点もある。

第1四半期の売上高ガイダンスは前四半期比横ばいで、繰延収益の健全な伸びとは対照的である。

さらに、非流動繰延収益や売上継続率(NDR)など、特定の指標は予想と一致せず、改善の余地を示している。

今後の見通しとして、テナブルは24年度の売上高成長率を13%、フリー・キャッシュフロー・マージンを25%と予想している。

長期ガイダンスでは、Non-GAAP営業利益率とフリー・キャッシュフロー利益率がそれぞれ25%と30%を超えることを目指している。

全体として、売上高とEBITのガイダンスは、テナブルの継続的なアウトパフォームの可能性を示していると見ている。

長期ポジションの注意点

テナブル(TENB)への長期投資は、Wiz、Orca、Prisma Cloudのような競合と比較してパフォーマンスが遅れているため、注意が必要である。

これらの競合他社は、リスクの優先順位付け、効果的なアラートのフィルタリング、攻撃経路の可視化などに優れており、CISOやSecOpsチームのストレスを軽減している。

テナブルを含むレガシーのVMシステムは、誤検知や優先順位付けの悪さに悩まされ、この効率性に匹敵するものとなるのに苦労している。

しかし、テナブルによる最近の戦略的買収、特にErmeticは、競合他社が設定した基準に匹敵できるかどうかは不明であるものの、より優れたパフォーマンスへの転換の可能性を示している。

また、同社が2022年にSnowflakeに移行したことで、SecOpsのユーザーエクスペリエンスが向上し、リスクが軽減された可能性がある。

不確定要素にもかかわらず、現在のバリュエーションからは、同社株式のアップサイドの可能性が示唆されていると見ており、慎重ではあるが、投資を検討する価値のある銘柄であると考える。

B2B領域でのさらなる買収は、パロアルトネットワークス(PANW)のPrisma Cloudの成功を反映し、株主に大きな価値を提供する可能性がある。

結論として、テナブルの将来は依然不透明だが、その戦略的な動きは、クラウドセキュリティ市場における業績向上と競争力強化に向けた軌道の可能性を示していると見ている。

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アナリスト紹介

コンヴェクィティ
拠点:イギリス / アラブ首長国連邦(UAE)
セクター:テクノロジー

2019年に設立されたConvequityは、サイバーセキュリティ、SaaSを含むエンタープライズ(企業)向けテクノロジーを扱うテック企業に関するエクイティ・リサーチを提供。セールス・チャネルや対象企業の経営陣との関係に依存する投資銀行や証券会社のアナリストとは異なり、Convequityは対象企業のプロダクト、アーキテクチャー、ビジョンを深掘りすることで投資家に有益な情報を提供することに努めている。特に、Convequityは、第一線で活躍する企業や イノベーションをリードするスタートアップ企業を含め、テクノロジー業界を幅広くカバーすることで、投資家のビジビリティと長期的なアルファの向上に努めている。

ジョーダン・ランバート CFA / LinkedIn

長年にわたるハイテク投資家であり、テクノロジー関連銘柄、および、株式リサーチとバリュエーションのニュアンスに特別な関心を持つ。CFA取得後、自身のソフトウェア、株式リサーチ、並びに、株式投資へのパッションを下に、2019年10月にConvequityを設立。新たなテクノロジー業界におけるトレンドと長期的に成功する可能性が高い企業を見極めることを得意としている。

サイモン・ヒー / LinkedIn

10年以上に渡りテクノロジーのあらゆる側面をカバーしてきた経験を生かし、テクノロジー起業への投資における、勝者と敗者を見極める鋭い洞察力を持つ。彼のテクノロジーに関するノウハウは、ビジネス戦略や財務分析への理解と相まって、Convequityの投資リサーチに反映されている。Convequityを設立する前は、オンラインITフォーラムでコミュニティ・マネージャーを務め、ネットワーク・セキュリティの業務に従事。ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンで商学士号を取得。

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