スノーフレイク / SNOW:注目のクラウド関連成長株の最新の株価分析と今後の見通し(2023年1月30日 / Snowflake)

Ticker: SNOW / 3898文字 / 所要時間8分程度 / 中立

サマリー

  • スノーフレイクは世界中の企業にデータウェアハウスと管理ソフトウェアを提供するテクノロジー企業である。
  • 同社のトップライン売上高と売上総利益率は成長を続けているが、営業損失は依然として大きい。
  • 私は、経営陣が営業損益分岐点に向けて前進し始めるまで、同社株式に対して「中立」と見ている。

スノーフレイクについて

スノーフレイク(SNOW)は、統合クラウドデータプラットフォームを世界中の企業に提供しているテクノロジー企業である。

2023年11月29日には、2024年第3四半期決算を発表し、売上高とコンセンサス利益予想を上回る着地となった。

スノーフレイクのトップラインである売上高成長率は低下し続けており、営業損失は依然として大きいというのも現状である。

私は、経営陣が営業損益分岐点に向けて明確な進展を遂げるまで、同社株式に対して「中立」と見ている。

スノーフレイクの概要と市場

カリフォルニアに本社を置くスノーフレイクは、ストレージ、コンピュート、クラウドサービスの3つの独立したデータ機能をデータ・クラウド・システムに統合し、企業が「多くのユースケースで共通のデータセットに遅延なく同時にアクセス」することを可能にしている。

そして、クラウド・サービス・レイヤーは、管理者なしで各ユースケースのパフォーマンス要件をインテリジェントに最適化している。

同社は2019年12月からフランク・スロットマン最高経営責任者(CEO)が率いている。

スロットマン氏は、前職ではServiceNowの会長とGreylock Partnersのパートナーを務めていた。

スノーフレイクは強固なパートナープログラムを展開しており、テクノロジー、サービス、クラウド、データプロバイダーの各パートナーが同社の提供範囲と機能の拡大を支援している。

スノーフレイクが提供する主なサービスは以下の通りである。

  • Diverse data type capabilities:多様なデータタイプへの対応
  • Data volume scalability:データ量のスケーラビリティ
  • Dynamic availability of compute resources:コンピュート・リソースの動的利用可能性
  • Multi-cloud and multi-region:マルチクラウドおよびマルチリージョン
  • Seamless & secure data sharing:シームレスでセキュアなデータ共有

同社はあらゆる規模の組織を対象としているが、その焦点は小規模企業ではなく、むしろデータ統合のニーズが大きい中規模以上の企業に重点を置いている。

SNS Insiderによると、クラウドデータウェアハウジング市場は2030年までに286億1000万 ドルに達し、2023年から2030年までの年平均成長率(CAGR)は22.7%で成長すると予想されている。

この成長予測は、クラウドベースのソリューション採用の増加、データ主導の意思決定に対するニーズの高まり、データ量の増大と複雑化によってもたらされると予想されている。

市場動向と成長要因

  • クラウドベースソリューションの採用の増加:クラウドベースのデータウェアハウスには、拡張性、柔軟性、費用対効果など、オンプレミスのソリューションにはない利点が数多くある。このため、あらゆる規模の企業でクラウドデータウェアハウスの採用が進んでいる。
  • データ主導の意思決定に対するニーズの高まり:マーケティング・キャンペーンから製品開発まで、情報に基づいた意思決定を行うためにデータを活用する企業が増えている。このため、クラウドデータウェアハウスに対する需要が高まっている。そのため、クラウドデータウェアハウスは、簡単にアクセスして分析できるデータの集中リポジトリ(貯蔵庫)を企業に提供している。
  • データ量の増大と複雑化:企業が生成するデータ量は指数関数的に増加している。このデータもまた複雑化しており、企業はより多様なソースからデータを収集しています。クラウド・データウェアハウスは大量の複雑なデータを扱うことができるため、こうしたデータの保存と分析を必要とする企業にとって理想的なソリューションとなっている。

クラウドデータウェアハウス市場の主要企業

  • Amazon Redshift(AMZN):Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウドベースのデータウェアハウスサービス。
  • Microsoft Azure Synapse Analytics(MSFT):Microsoft Azureが提供するクラウドベースのデータウェアハウスサービス。
  • Google BigQuery(GOOGL):Google Cloud Platform(GCP)が提供するクラウドベースのデータウェアハウスサービス。
  • Snowflake(SNOW):スケーラビリティ、柔軟性、パフォーマンスで知られるクラウドベースのデータウェアハウスサービス。
  • Teradata(TDC):オンプレミスおよびクラウドベースのデータウェアハウス・ソリューションのリーディング・プロバイダー。

スノーフレイクの最近の財務動向

四半期別総売上高(水色の線:Total Revenue)は目覚ましい成長を続けている一方で、四半期別営業利益(青色の線:Operating Income)は大幅なマイナスで推移している。

四半期別売上総利益(水色の線:Gross Profit)は顕著な伸びを示し、四半期別販売費および一般管理費(青色の線:Selling General & Admin Expenses)は高水準で推移しているが、最近ではやや減少傾向にある。

希薄化後一株当たり利益(EPS)は、下記のチャートが示すように、大幅なマイナスで推移しているというのが現状である。

(上記グラフのデータはすべて百万USD単位・GAAPベース)

一方で、過去12ヶ月で、スノーフレイクの株価は32.8%上昇したのに対し、iシェアーズ・エクスパンデッド・テクノロジー・ソフトウェアETF (IGV)は50.8%上昇している。

スノーフレイクのバリュエーションとその他の指標

以下は、同社に関連するバリュエーションの表である。

また、40%ルールとは、ソフトウェア業界の経験則であり、売上高成長率とEBITDA成長率の合計が40%以上であれば、その企業は、ソフトウェア企業として、許容できる成長とEBITDAの軌道に乗っていることを示すものである。

下表のように、同社の直近の調整前40%ルールの計算値は、2024年第3四半期決算時点でわずか8.5%であったため、同社は、特に営業利益率のマイナスに関して大幅な改善が必要であることが分かる。

スノーフレイクに関するコメント

市場のアナリストとの直近の決算電話会議において、経営陣は以下の点を強調している。

  • 収益の伸び: 前年比34%増の6億9800万ドル。
  • 受注残: RPO(残存履行義務)は前年比23%増の37億ドル。
  • 予約件数: 第3四半期は非常に好調な業績となった。新規契約純増数は前年同期比29%増と、目覚ましい成果を挙げた。
  • コストまたは費用の変更: Non-GAAPベースの製品粗利益率は78%と、前年同期比で約300bp上昇した。Non-GAAPベースの営業利益率は10%で、前回予想を上回った。
  • キャッシュフロー: Non-GAAP基準の調整後フリー・キャッシュフローは1億1,100万ドルで、前年比7%増。
  • 貸借対照表項目: 現金、現金同等物、短期および長期投資で45億ドルという高水準で四半期を終えた。
  • 売上高ガイダンス: 第4四半期の製品売上高は7億1,600万~7億2,100万ドル、前年同期比29.5%の成長を見込んでいる。
  • 通期ガイダンス:約26億5,000万ドルに引き上げ、これは前年比37%の売上成長率に相当するが、実現すればトップラインの成長率は前年度より鈍化することになる。

市場のアナリストは、顧客導入の傾向、利益率、新製品の発売について経営陣に質問していた。

それに対し、経営陣は、特にAPJとSMBセグメントで顧客導入が好調で、大企業からの売上比率が高まっていると答えている。

加えて、利益率の拡大とフリーキャッシュフローの創出も大きく進展しているおり、さらに同社は今後、新製品の発売や戦略的買収を通じて、対応可能な市場を拡大することに注力している。

しかし、資本コストの高い環境が続いているにもかかわらず、スノーフレイクは依然として極めて高い営業損失を計上しており、トップラインの売上高成長率は低下し続けている。

以上より、同社が力強い成長を続けながら営業損益分岐点に向けて意味のある前進を遂げるまでは、私は同社株式に対して「中立」で見ている。

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アナリスト紹介

Donovan Jones ドノヴァン・ジョーンズ
拠点:米国
セクター:テクノロジー・IPO

ジョーンズ氏は、米国を拠点とする株式リサーチのスペシャリストであり、15年にわたり、米国のソフトウェア関連企業やIPO企業の投資を分析。主に、「高成長テクノロジー銘柄」、「消費者関連銘柄」、「資本財・サービス関連銘柄」、「メディア関連関連」、「ライフサイエンス銘柄」に焦点を当て、ファンダメンタル分析を用いて企業分析を実施。

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