スマートシート / SMAR:テクノロジー関連成長株の最新の24年3Q決算分析と今後の株価見通し(Smartsheet)

Ticker: SMAR / 4389文字 / 所要時間9分程度 / 強気

サマリー

  • スマートシートは、世界中の企業にチーム・プロジェクト・マネジメント・ソフトウェアを提供しているテクノロジー企業である。
  • 同社は、2023年12月7日に2024年第3四半期決算を発表しており、2024年3月14日に2024年第4四半期決算を予定している。
  • 同社の売上高は伸びており、フリー・キャッシュフロー(FCF)も非常に素晴らしい水準にある。
  • そのため、私の短期的な同社の株価への見通しは「強気」である。

スマートシートについて

スマートシート(SMAR / Smartsheet)は、2023年12月7日に2024年第3四半期決算を発表し、売上高と収益予想の両方を上回る着地となった。

同社は企業にチーム・プロジェクト・マネジメント・ソフトウェアを提供するテクノロジー企業である。

同社の成長見通し、取り巻く環境、フリー・キャッシュフロー(FCF)の改善、妥当なバリュエーションに基づき、私の短期的な同社株価への見通しは「強気」である。

スマートシートの概要と市場

スマートシートは、プロジェクト・マネジメントとコラボレーションのためのクラウドアプリケーションの開発・マーケティングに特化している。

同社は2005年にマリア・コラカーシオ、ブレント・フレイ、エリック・ブラウンによって設立され、米国ワシントン州ベルビューに本社を置いている。

同社の製品群は、ワークフローの自動化、コンテンツ・マネジメント、プロジェクト・マネジメントなどの機能を強化するように設計されており、以下のような機能を備えている。

  • Smart Dashboards /スマートダッシュボード
  • Smartportals / スマートポータル
  • Smartcards / スマートカード
  • Smart Grids / スマートグリッド
  • Smartprojects / スマートプロジェクト
  • Smart Calendars / スマートカレンダー
  • Smartforms / スマートフォーム
  • Smart Automation / スマート・オートメーション
  • Connector / コネクター
  • Control Center / コントロールセンター
  • Accelerators / アクセラレーター
  • Data Uploader / データアップローダー
  • Smart Integrations / スマート統合

スマートシートは、ソフトウェア製品に加え、クライアントが自社のプラットフォームを効果的に活用できるよう、トレーニング、サポート、コンサルティングなど、さまざまなサービスを提供している。

スマートシートの市場と競合

プロジェクト・マネジメント・ソフトウェア市場は、ダイナミックで急成長しているセクターであり、複数の主要プレーヤーが存在し、提供する製品が常に進化していることが特徴である。

Mordor Intelligence社の市場調査レポートによると、現在の市場価値は65億ドルと推定され、2029年には109億ドルに達すると予測 されている。

この成長が達成されれば、2024年から2029年までの年平均成長率(CAGR)は約10.7%となる。

そして、同業界の主要企業・製品は以下の通りである・

– Planview Technology:ポートフォリオ管理と業務管理ソリューションに特化。

– Sitetracker:テレコムやユーティリティ企業向けのプロジェクト・マネジメント・ソフトウェアを提供。

– Atlassian:チーム・プロジェクト管理機能をフル装備したシステムを販売。

– Monday.com:プロジェクト管理ソフトの開発・販売。

– Airtable:データベースの機能性とスプレッドシートのシンプルさを併せ持つ。

– K2:ビジネスプロセスの自動化と合理化にフォーカス。

– Notion:ノート、タスク、Wiki、データベースのためのオールインワンのワークスペースを提供。

– Wizeline:高品質な製品やプラットフォームの構築を支援する技術ソリューションを提供。

スマートシートを取り巻くトレンドと成長要因

プロジェクト・マネジメント・ソフトウェア市場は、効率的なプロジェクト・マネジメント・ソリューションに対する需要の増加、リモートワークの傾向の高まり、チーム間のコラボレーションを改善する企業ニーズによって牽引されている。

プロジェクトの計画と実行を強化するための人工知能や機械学習技術の統合、アジャイルやスクラム手法の採用も、市場を形成する重要なトレンドである。

スマートシートの成長をリードする市場セグメント

クラウドベースのプロジェクト・マネジメント・ソフトウェア・セグメントは、その拡張性、柔軟性、コスト効果によって市場の成長をリードしている。

リアルタイムのコラボレーション、タスク管理、進捗管理を提供するソリューションに対する需要は、特に中小企業(SME)で高い。

スマートシートの最近の財務動向

四半期別の総収益 (黒色の列:Total Revenue) は成長軌道を維持しており、四半期別の営業利益 (青色の線:Operating Income) はマイナスを維持しているものの、損益分岐点に向けて一定の前進を見せている。

また、スマートシートのような多くの成長企業は、既存企業との競争において、規模を拡大し、規模の経済を獲得しようとするため、営業損失を抱える傾向がある点にはご留意いただきたい。

また、四半期別の売上総利益(黒色の列:Gross Profit)は成長を続けている。

四半期別の販売管理費(青色の線:Selling General & Admin Expenses)は上昇しているが、一貫性はなく、これは増収を生み出す上での販売管理費の効率がより高いことを示している。

さらに、希薄化後一株当たり利益(EPS)はマイナスのままだが、2022年初頭から著しく改善している。

加えて、特筆すべきは、フリー・キャッシュフロー(FCF)が過去4四半期でプラスに転じていることである。

(上記グラフのデータはすべて百万USD単位・GAAPベース)

一方で、過去12ヶ月で、同社の株価は2.84%下落したのに対し、iシェアーズ・エクスパンデッド・テクノロジー・ソフトウェアETF(IGV)は47.3%上昇している。

スマートシートのバリュエーションとその他の指標

以下は、同社に関連するバリュエーションの表である。

また、40%ルールとは、ソフトウェア業界の経験則であり、売上高成長率とEBITDA成長率の合計が40%以上であれば、その企業は、ソフトウェア企業として、許容できる成長とEBITDAの軌道に乗っていることを示すものである。

下表のように、同社の直近の調整前40%ルールの計算値は、2024年第3四半期決算時点で13.9%であったため、同社はこの点、特に営業利益率がマイナスである点において改善が必要である。

スマートシートへの見通し

市場のアナリストとの直近の決算発表会議では、経営陣は以下のポイントを強調している。

収益の伸び:

  • スマートシートの当四半期の売上高は前年同期比23%増の2億4,600万ドルとなり、ガイダンスを上回った。
  • ARR(年間経常収益)は10億ドルのマイルストーンに近づいている。

バックログ:

  • 四半期末のARRは 9 億 8,100 万ドルであった。

経費の変動:

  • Non-GAAPベースの営業利益率は8%と発表されている。
  • 売上総利益率は84%で、サブスクリプションの売上総利益率は87%。

キャッシュ・フロー:

  • 四半期のフリー・キャッシュフローは1,140万ドル。
  • 24年度のフリー・キャッシュフローガイダンスは1億3,000万ドルに引き上げられた。

貸借対照表項目:

  • 特に言及されていないが、フリー・キャッシュフローの改善と収益の伸びは、貸借対照表におけるポジティブな傾向を示している。

海外部門:

  • 海外市場への投資を継続し、2021年にはドイツでプラットフォームを立ち上げ、オーストラリアでもデータレジデンシー要件をサポートするための案件を計画している。
  • 政府の情報セキュリティ要件を満たすため、オーストラリアでIRAP認証を取得中。

売上高ガイダンスと傾向:

  • 24年度第4四半期の売上高は2億5,400万ドルから2億5,600万ドルの範囲と予想。
  • 第4四半期のNon-GAAPベースの営業利益は2,100万ドルから2,300万ドルと予想。
  • 24年度通期の売上高は、25%増の9億5,500万ドルから9億5,700万ドルとなる見込み。
  • 24年度のNon-GAAPベースの1株当たり純利益は0.68~0.69ドルの見込み。

経営陣は、第3四半期にビリングの伸びが加速し、企業部門が引き続き好調であることを指摘したが、SMB顧客セグメントに対するマクロ的な圧力については認め、第4四半期および通期のガイダンスについては慎重な見通しを維持した。

また、営業利益率はここ数四半期で低下傾向にあるが、これは主にパートナー支援活動やENGAGEイベントに関する営業・マーケティング費用の増加によるものであるとのことである。そして、このような投資にもかかわらず、経営陣は2024年度も売上総利益率が83%を超えると予想している。

一方で、顧客行動に大きな変化はなく、更新環境は引き続き堅調である。SMBを含むすべてのセグメントで更新は安定しており、さまざまな業種にまたがる多角的な事業がマクロ経済の影響を緩衝している。

さらに、今後の成長を促進するためのケイパビリティの採用とセルフ・ディスカバリーの役割について議論された。特に、プレミアム能力の自己発見プロセスをさらに発展・促進させ、ポートフォリオ全体をより幅広い顧客層に可視化し、取引可能にすることを目指していることから、経営陣はケイパビリティの採用の拡大について楽観的であるように見える。

以上より、スマートシートの今後の成長見通し、営業環境、フリー・キャッシュフローの改善、妥当なバリュエーションに基づき、私は同社株式に対して「強気」で見ている。

【先行アクセス(+特典付き)とニュースレターへの登録】

インベストリンゴは、🇯🇵日本初、🇺🇸米国株式投資に特化した金融のプロフェッショナルが集まる📱メディアプラットフォームです。

🚀ローンチに先立ち、✉️ニュースレター経由で、彼らの最新のコンテンツを日々紹介しております。

インベストリンゴ公式ホームページはこちら

米国株投資家の皆様は、是非、上記リンクより、メールアドレスをご登録頂き、完全版の弊社レポートを、日々、無料でご覧頂ければと思います。

ご登録頂けますと、過去のレポートも全て無料でご覧頂けます。

また、X(旧Twitter)上でも、日々、米国株式市場に関する情報を配信しておりますので、是非、フォロー頂ければと思います。

X(旧Twitter):インベストリンゴ公式アカウントはこちら
関連記事

【米国株式投資】KLA / KLAC:半導体・AI関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し Part 2

【米国株式投資】KLA / KLAC:半導体・AI関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し Part 1

【米国株式投資】アトラシアン / TEAM:テクノロジー関連成長株の最新の24年2Q決算分析と今後の株価見通し(Atlassian)

【米国株式投資】インテル / INTC:半導体・AI関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し Part 3(Intel)

【米国株式投資】インテル / INTC:半導体・AI関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し Part 2(Intel)

【米国株式投資】インテル / INTC:半導体・AI関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し Part 1(Intel)

【米国株式投資】ペイパル / PYPL:フィンテック関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し(Paypal)

【最新】米国株の今後の見通し:S&P500は遂に5000ポイントを突破も、Fear & Greed Indexは1年前の7%下落時直前と同様の水準にあることに警戒

【米国株式投資】アマゾン / AMZN:メタとは対照的に無配当を継続するGAFAMの一角の最新の決算分析と今後の株価見通し

【米国株式投資】オクタ / OKTA:注目のテクノロジー関連成長株の最新の株価分析と今後の見通し(2024年2月9日)

【米国株式投資】ユナイテッド・マイクロエレクトロニックス / UMC:インテルとの提携で注目の半導体・AI関連成長株の最新の決算分析と今後の株価見通し – Part 2(2024年2月8日 / United Microelectronics)

【米国株式投資】ユナイテッド・マイクロエレクトロニックス / UMC:インテルとの提携で注目の半導体・AI関連成長株の最新の決算分析と今後の株価見通し – Part 1(2024年2月8日 / United Microelectronics)

【最新】米国株の今後の見通し:S&P500の下落の可能性をテクニカル指標で探る

【米国株式投資】アドバンスト・マイクロ・デバイセズ / AMD:人気の半導体・AI関連成長株の最新の決算・株価分析と今後の見通し – Part 2(2024年2月8日 / Advanced Micro Devices)

【米国株式投資】アドバンスト・マイクロ・デバイセズ / AMD:人気の半導体・AI関連成長株の最新の決算・株価分析と今後の見通し – Part 1(2024年2月8日 / Advanced Micro Devices)

【米国株式投資】アルファベット・グーグル / GOOG・GOOGL:メタとは対照的に無配当を継続するGAFAMの一角の最新の決算分析と今後の株価見通し(2024年2月5日 / Alphabet)

【米国株式投資】ドラフトキングス / DKNG:人気の米国ゲーム関連成長株の最新の株価分析と今後の見通し(2024年2月7日 / DraftKings)

【米国株式投資】パランティア / PLTR:人気のAI関連成長株の最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年2月6日 / Palantir)

【米国株式投資】ページャーデューティー / PD:注目のインシデント対応関連成長株の最新の株価分析と今後の見通し(2024年2月5日 / 米国株式投資 / PagerDuty)

【最新】米国株の今後の見通し:FRBの利下げ時期にかかわらず、堅調な経済指標は引き続き株価をサポート

【米国株式投資】メタ・フェイスブック / META:注目のメタバース・AI関連成長株の最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年2月2日 / 米国株式投資 / Meta / Facebook)

【米国株式投資】マッチ・グループ / MTCH:ティンダー等のブランドを所有する注目のマッチングアプリ関連成長株の最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年2月1日 / Match Group)

【米国株式投資】ラム・リサーチ / LRCX:注目の半導体関連銘柄の最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年2月1日 / Lam Research )

【米国株式投資】アルファベット・グーグル / GOOG・GOOGL:最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年1月31日 / Alphabet )

【米国株式投資】マッチ・グループ / MTCH(Match Group):ティンダー等のブランドを所有する注目のマッチングアプリ関連成長株の最新の株価分析と今後の見通し(2023年1月30日)

免責事項: 本レポートは投資教育を目的としており、金融、法律、投資のアドバイスを意図しておりません。また、本レポート上の情報は、誤りを含む可能性、時間の経過に伴い無関係となる可能性、また、予告なく変更・削除される可能性があります。加えて、私は投資アドバイザーのライセンスを保持しておりません。その為、投資の意思決定を下す際には、自身の財務状況について、自らの責任で調査を行ってください。また、過去のパフォーマンスは、将来の結果を保証するものではありません。米国上場企業、または、IPO銘柄への投資は、常に大きな変動と損失リスクを伴う可能性がある点にはご留意ください。

アナリストによる開示:私は、この記事で言及されている企業の株式に関するポジションを現時点で保有しておらず、また、今後5日以内にそのようなポジションを持つ予定もありません。本レポートは投資教育を目的としており、金融、法律、投資のアドバイスを意図しておりません。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

インベストリンゴによる開示:インベストリンゴは、当社コンテンツ・クリエイターが、自身の専門・得意領域に関する情報・知識を、当社のユーザーと共有する事を目的とする米国株特化型のコミュニティです。本サイトのコンテンツは、投資教育、並びに、投資情報の提供のみを目的としており、特定の投資家に対して、投資、税務、法律等のアドバイスを提供することを意図しておりません。加えて、Investlingo Japan合同会社は、日本においてライセンスを保有する証券会社、投資顧問業者、または、投資銀行ではございません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも、各コンテンツ・クリエーター個人の見解であり、Investlingo Japan合同会社の立場を反映しているものではございません。当社のコンテンツ・クリエーターは、個人投資家を含む独立したブロガー・アナリストから構成されており、公的機関等からの金融関連のライセンスを取得していない場合もございます。その為、本サイト上のいかなる情報も、インベストリンゴ、または、弊社プラットフォーム上の第三者による、金融商品の推奨、或いは、投資助言として解釈されるべきではありません。インベストリンゴは、弊社プラットフォーム上の情報に基づいて行われるいかなる投資決定に対して、一切責任を負わず、各ユーザーが単独で責任を負う点にご留意ください。

アナリスト紹介

Donovan Jones ドノヴァン・ジョーンズ
拠点:米国
セクター:テクノロジー・IPO

ジョーンズ氏は、米国を拠点とする株式リサーチのスペシャリストであり、15年にわたり、米国のソフトウェア関連企業やIPO企業の投資を分析。主に、「高成長テクノロジー銘柄」、「消費者関連銘柄」、「資本財・サービス関連銘柄」、「メディア関連関連」、「ライフサイエンス銘柄」に焦点を当て、ファンダメンタル分析を用いて企業分析を実施。

にほんブログ村:米国株ランキング

人気ブログランキング:米国株ランキング

上部へスクロール