パロアルトネットワークス / PANW / 強気:最新の24年度2Q決算分析と今後の株価見通し – Part 2(Palo Alto Networks)

Ticker: PANW / 3439文字 / 所要時間7分程度

サマリー

  • 24年度第2四半期決算発表後、パロアルトネットワークス(PANW)に対する市場のセンチメントは、長期的なファンダメンタルズは強いものの、過度に悲観的であり、クラウドフレアやスノーフレイクに対する楽観的な見方とは対照的である。
  • 同社は、セキュリティに特化したAIコパイロットや、TalonやDig Securityのような買収を含む製品開発で強みを発揮し、市場での地位を高めている。
  • 投資家が示唆するところでは、成長が鈍化する可能性があるが、楽観的なシナリオでは持続的な成長が見込まれ、同社のリーダーシップとプラットフォーム化戦略が成功の鍵となる。

パロアルトネットワークス:Part 1のまとめ

ここまでの流れをまとめると、パロアルトネットワークス(PANW)に対する足元の市場の一般的なセンチメントは過度に悲観的であり、同社の長期的なファンダメンタルズよりも短期的な財務的不安によって左右されているように見える。

これは、クラウドフレア(NET)やスノーフレイク(SNOW)のようなコンセンサスの高い優良企業を取り巻く楽観論や、2024年度におけるオクタ(OKTA)のような企業の強気な見通しとは対照的である。

市場は懐疑的ではあるが、パロアルトネットワークスの戦略転換は失敗のリスクを最小限に抑え、製品採用を強化し、成長を再加速させる可能性を秘めている。

さらに、2030年までにNGS(次世代セキュリティ製品)のARR(年間経常利益)が150億ドルに達するという同社の見通しは、特に同社が有利なポジションを維持しているクラウドセキュリティとSecOpsなどの進化する市場ダイナミクスによって強化されている。

競合他社は提携を通じて同社の優位性に挑戦しようとするかもしれないが、調整の複雑さや市場環境の変化がその努力を妨げる可能性がある。

そして、最近の競合企業間の提携は、同社の市場ポジションに対処しようとする試みを反映しているが、結束力のある提携を形成することは依然として大きな課題である。

一部の競合他社が隣接分野に進出しているものの、同社の包括的な製品群と戦略的ポジショニングは、現在の予想を上回る大きな成長の可能性を示唆している。

結論として、不確定要素は残るものの、パロアルトネットワークスのユニークな強みと市場の可視性は、サイバーセキュリティ分野の再加速と持続的成長をうけて、同社に競合優位性を提供すると見ている。

結果、パロアルトネットワークスは、適切な事業運営を行うことで、新たな市場トレンドを取り込み、業界のリーダーとしての地位を確固たるものにする態勢を整えている。

パロアルトネットワークスの製品開発に関して

パロアルトネットワークス(PANW)は製品開発、特にセキュリティに特化したAIコパイロットの開発に引き続き秀でており、数多くの企業向けコパイロットを顧客に展開している。

同社のXSIAMプラットフォームは、1日あたり6.1PBを超える膨大なインジェスト・レートを誇り、利用可能な最大級のセキュリティ・データ・レークを構成している。

そして、1億人以上のユーザーと50万以上のファイアウォールをカバーする同社は、脅威インテリジェンスの重要な情報源となっている。

例えば、生成AIの普及により、フィッシングメールは過去1年間で10倍に増加し、同社のCortexスイートのようなフィッシング対策ソリューションの需要が高まっている。

同社は、AIのさまざまな側面を保護するための強固な製品群とロードマップを示し、セキュリティ領域において同業大手やスタートアップ企業を凌駕している。

そして、これには、ワークフォースやワークロードのAIモデルの保護、AIデプロイメント向けのリアルタイム・アプリケーション・セキュリティの提供などが含まれる。

この分野でのさらなる技術革新が進めば、同社のTAM(獲得可能な最大市場規模)は大幅に拡大し、カテゴリーを定義するプレーヤーとしての地位が確固たるものになると予想される。

更に、社内の開発努力に加え、同社は2つの重要なスタートアップの買収に11億ドルを費やしている。

まず、セキュア・エンタープライズ・ブラウザのTalonは、セキュア・サービス・エッジ(SSE)とセキュア・アクセス・サービス・エッジ(SASE)ソリューションのパラダイム・シフトを実現している。

特定のネットワーク・セキュリティ機能をブラウザにオフロードすることで、ポリシー施行の効率と粒度を大幅に高めることができる。

さらに、Talonのデュアルユース製品は、ユーティリティ主導のセキュリティ・ソリューションの増加傾向に合致しており、過去の業界のピボット成功例を反映している可能性があると見ている。

企業向けブラウザーの大きな可能性は、ウェブベースのアプリケーションがますます普及しているSaaSの変革という進化する状況にある。

また、Dig Securityの買収は、サイバーセキュリティ技術の最先端を行くという同社のコミットメントをさらに強調するものである。

Dig Securityのデータ・セキュリティ・ポスチャー・マネジメント(DSPM)の専門知識は、AI時代における企業データの安全確保という重要なニーズに対応するものである。

そして、データ資産の保護に重点を置くことで、同社は規制遵守と競争上の優位性の両方においてデータ保護の重要性が高まっていることを認識していると言える。

同社はDSPMにより、データ侵害から企業を守り、包括的なデータ保護戦略を実現することを目指している。

これには、データ損失防止(DLP)対策によるデータ損失の防止や、データ検出と対応(DDR)機能によるセキュリティ脅威の検出と対応が含まれている。

DSPMの統合により、パロアルトネットワークスは進化するデータセキュリティの課題に対応する能力を強化し、包括的なサイバーセキュリティ・ソリューションのリーディング・プロバイダーとしての地位を強化している。

パロアルトネットワークスの決算・株価の投資家へのインプリケーション

パロアルトネットワークス(PANW)は、次四半期の成長率が現在の19%から14%に減速する可能性があると予測している。

ビリング額の伸びも前四半期の16%から3%へと大幅に低下する見込みである。

弊社の基本シナリオでは、同社の1株当たり評価額(VPS)は、成長率の低下を反映し、直近過去12カ月ベースのEV/売上高倍率が14倍、直近過去12カ月ベースのEV/フリー・キャッシュフロー倍率が37倍となり、約324ドルと推定している。

より楽観的なシナリオでは、同社は収益成長を20%まで再加速させ、2020年代を通じて10%台後半の成長を維持し、2030年までに約217億ドルの収益を見込むというものである。

この強気の見通しでは、同社の1株当たり評価額は約381ドルとなっている。

そして、同社の成功の鍵は、そのリーダーシップ、特にニケシュ・アローラが、グーグル(GOOGGOOGL)での在職期間と同様、恒常的な成長を達成できるかにかかっている。

過去10年間におけるグーグルの一貫した売上高成長は、ニケシュ・アローラの下、同社がサイバーセキュリティ分野で圧倒的な力を持ち、平均を上回る持続的な成長を遂げる可能性を示している。

また、プラットフォーム化の視点に立つと、パロアルトネットワークスの1株当たり評価額は480ドルまで急騰する可能性があり、そのシナリオでは、低成長が止まり、34年度には約330億ドルの売上高に達すること想定している。

このシナリオでは、プラットフォーム戦略による収益性の向上も考慮されており、潜在的にマイクロソフト(MSFT)やブロードコム(AVGO)のような企業に見られる高い利益率を反映する可能性があると見ている。

市場のボラティリティにもかかわらず、同社はクラウドセキュリティとAIの能力で認知度を高めており、洗練された投資家と一般投資家の双方を惹きつけている。

不透明なマクロ経済環境は短期的な成長に影響を与える可能性があるが、同社のプラットフォーム化戦略の成功の兆しは、特に24年度第4半期の決算報告までに投資家の信頼を回復する可能性があると見ている。

まとめると、24年度第2半期以降の市場の反応は、投資家にとって、経営陣の見解を誤解した結果生じた下落を利用する好機となっていると考える。

特に、市場で見られている同社株のディスカウントがビリング額の成長に関する誤解に起因するものである場合、長期的な投資家は、同社の信頼できるストーリーと潜在的な将来のプラスのリターンを視野に入れて、投資を検討すると良いだろう。

しかし、モメンタムが反転し、特にビリング額の伸びの後に収益の伸びが減速した場合には、短期的な低迷が続く可能性がある点にはご留意いただきたい。

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アナリスト紹介

コンヴェクィティ
拠点:イギリス / アラブ首長国連邦(UAE)
セクター:テクノロジー

2019年に設立されたConvequityは、サイバーセキュリティ、SaaSを含むエンタープライズ(企業)向けテクノロジーを扱うテック企業に関するエクイティ・リサーチを提供。セールス・チャネルや対象企業の経営陣との関係に依存する投資銀行や証券会社のアナリストとは異なり、Convequityは対象企業のプロダクト、アーキテクチャー、ビジョンを深掘りすることで投資家に有益な情報を提供することに努めている。特に、Convequityは、第一線で活躍する企業や イノベーションをリードするスタートアップ企業を含め、テクノロジー業界を幅広くカバーすることで、投資家のビジビリティと長期的なアルファの向上に努めている。

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長年にわたるハイテク投資家であり、テクノロジー関連銘柄、および、株式リサーチとバリュエーションのニュアンスに特別な関心を持つ。CFA取得後、自身のソフトウェア、株式リサーチ、並びに、株式投資へのパッションを下に、2019年10月にConvequityを設立。新たなテクノロジー業界におけるトレンドと長期的に成功する可能性が高い企業を見極めることを得意としている。

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10年以上に渡りテクノロジーのあらゆる側面をカバーしてきた経験を生かし、テクノロジー起業への投資における、勝者と敗者を見極める鋭い洞察力を持つ。彼のテクノロジーに関するノウハウは、ビジネス戦略や財務分析への理解と相まって、Convequityの投資リサーチに反映されている。Convequityを設立する前は、オンラインITフォーラムでコミュニティ・マネージャーを務め、ネットワーク・セキュリティの業務に従事。ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンで商学士号を取得。

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