オクタ / OKTA:注目のテクノロジー関連成長株の最新の株価分析と今後の見通し(2024年2月9日)

Ticker: OKTA / 3058文字 / 所要時間6分程度 / 強気

サマリー

  • オクタはIDおよびアクセス管理ソフトウェアとソリューションを世界中に提供しているテクノロジー企業である。
  • 同社の収益とキャッシュフローの伸びは目覚ましく、営業損失は減少している。
  • 経済状況は引き続き良好で、資本コストの前提も下がっており、足元の株価バリュエーションも妥当であることから、私の同社に対する見通しは「強気」である。

オクタについて

オクタ(OKTA)は11月29日、2024年第3四半期決算を発表し、売上高とコンセンサス利益の予想を上回った。

同社は、企業のIT運用の安全性を高めるためのIDアクセス・管理ソフトウェアとサービスを提供するテクノロジー企業である。

同社の成長軌道、営業損失の縮小、記録的なフリーキャッシュフローの創出、妥当なバリュエーションに基づき、同社に対する私の見通しは「強気」である。

オクタの概要と市場

オクタはサンフランシスコに本社を置く、クラウドベースのID・アクセス管理(IAM)分野のリーディングカンパニーである。

同社の最高経営責任者(CEO)はトッド・マッキノンで、ハイテク業界におけるソフトウェア開発とリーダーシップの分野で豊富な経験を持ち、以前はセールスフォース・ドットコム(CRM)に在籍していた。

そして、のソフトウェアと関連サービスには以下のものが含まれる。

  • シングルサインオン(SSO:Single Sign-On)
  • 多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)
  • ユニバーサル・ディレクトリ(Universal Directory)
  • ライフサイクル管理(Lifecycle Management)
  • APIアクセス管理(API Access Management)
  • アダプティブMFA(Adaptive MFA)
  • 高度なサーバー・アクセス(Advanced Server Access)

オクタの市場と競合

アイデンティティとアクセス管理の世界市場規模は、2022年に159億ドルと評価され、2023年から2030年までの年平均成長率は12.6%で、2030年には411億ドルに達すると予測されている。(出典: グランドビューリサーチ

同市場には、他にも以下のような主要企業とサービスが存在している。

  • Microsoft Azure Active Directory(MSFT):マイクロソフトのエコシステムと密接に統合された包括的なクラウドベースのIAMソリューション。
  • Ping Identity:ハイブリッド環境や大企業にフォーカスした様々なIAMソリューションを提供。
  • ForgeRock:柔軟性とカスタマイズ性を重視したオープンソースベースのIAMプラットフォーム。
  • CyberArk:主に特権アクセス管理で知られ、幅広いIAMに対応。

オクタを取り巻くトレンドと成長要因

  • サイバーセキュリティと脅威対策の強化に対するニーズの高まり。
  • あらゆる業界でクラウド・コンピューティングの採用が増加。
  • アイデンティティ・ガバナンスを推進する規制コンプライアンス要件の厳格化。
  • シームレスなユーザーエクスペリエンスと労働生産性の重視。

オクタの成長をリードする市場セグメント

  • オンプレミスの導入を上回る、クラウドベースのIAMソリューション。
  • 外部ユーザー認証・認可のためのCIAM(Customer Identity and Access Management)。

オクタの最近の財務動向

四半期別の総収益(青色の列:Total Revenue)は成長を続けている。

また、四半期別の営業利益(水色の線:Operating Income)はマイナスのままであるが、最近の四半期では損益分岐点に向けて有意義な進歩を遂げている。

一般的に、オクタのような高成長テクノロジー企業は、既存の業界ソリューションと競合する中で、市場シェアの拡大を目指し、規模の経済を実現するために、営業利益率よりも成長を優先する傾向がある点にはご留意いただきたい。

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さらに、四半期別売上総利益(青色の列:Gross Profit)は力強い成長を続けており、四半期別販売費および一般管理費(水色の線:Selling General ^ Admin Expenses)はここ数四半期で横ばいになっている。

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加えて、希薄化後一株当たり利益(EPS)は引き続きマイナスだが、損益分岐点に向けて大きく前進している。

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(上記グラフのデータはすべて百万USD単位・GAAPベース)

しかし、一方で、過去12ヶ月でオクタの株価は僅か11.6%上昇したのに対し、iシェアーズ・エクスパンデッド・テクノロジー・ソフトウェアETF (IGV)は51.25%上昇している。

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オクタのバリュエーションとその他の指標

以下は、同社に関連するバリュエーションの表である。

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また、40%ルールとは、ソフトウェア業界の経験則であり、売上高成長率とEBITDA成長率の合計が40%以上であれば、その企業は、ソフトウェア企業として、許容できる成長とEBITDAの軌道に乗っていることを示すものである。

下表のように、同社の直近の調整前40%ルールの計算値は、2024年第3四半期決算時点で5.7%であったため、特に営業利益率のマイナスに関しては改善が必要であることが分かる。

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オクタに対する見通し

直近の市場のアナリスト向け決算説明会では、経営陣は以下のポイントを強調している。

収益の伸び

  • オクタは良好なトップライン指標を生み出し、大口顧客(年間契約額100万ドル以上の顧客)の継続的な成長を実現している。
  • 経営陣は、公共部門の業績が堅調であると見ている。

受注残

  • RPO(残存履行義務)の伸びは、契約期間の短縮による影響を受けている。
  • 現在のRPOの伸びは引き続き堅調である。

コストと経費の変化

  • 経営陣が支出の効率化に注力した結果、コスト構造が改善した。
  • 第3四半期の営業費用は予想を下回った。
  • 会社全体の従業員数は、第3四半期末に前四半期比で若干増加した。

キャッシュフロー

  • 第3四半期のフリーキャッシュフローは、請求額と好調な回収により、過去最高を記録した。

貸借対照表項目

  • 転換社債の機動的な買戻しにより負債が減少し、GAAPベースでの利益となった。
  • オクタは、多額の現金、現金同等物、短期投資を有する強固なバランスシートで当四半期を終えた。

売上高見通し

  • 経営陣は、第3四半期の好業績に基づき、通期(24年度)の売上高見通しを上方修正した。
  • 24年度のNon-GAAPベースの営業利益、Non-GAAPベースの希薄化後1株当たり純利益、フリーキャッシュフロー・マージンの通期ガイダンスを引き上げた。
  • 経営陣は25年度の暫定的な売上高見通しを示し、継続的な成長を見込んでいるが、マクロ経済上の課題や最近のセキュリティ事件の潜在的な影響を織り込んでいる。

海外事業

  • 海外での売上高の伸びは、為替が若干の逆風となった。

トレンド

  • マクロ経済環境は、契約期間、平均契約規模、パイプライン・ミックスに影響を与え続けている。
  • オクタにおける最近のセキュリティ・インシデントを踏まえ、セキュリティは引き続き最優先事項である。
  • 経営陣は一貫して好調なグロス維持率を確認しているが、ドルベースのネット維持率はマクロ圧力による影響を受けている。

説明会を通じて、市場のアナリストは、マクロ経済情勢、最近のセキュリティ・インシデント、コスト管理の取り組みについて同社首脳に質問した。

経営陣は、マクロ経済環境が引き続き案件規模や契約期間などの指標にプレッシャーをかけており、ビジネスが停滞している一因となっていると述べた。

また、最近のセキュリティ・インシデントにより、一部の取引が遅延し、新規顧客獲得やアップセリングの取り組みに継続的な影響が出る可能性がある模様である。

オクタの経営陣は、経費管理を重視し、必要に応じてコストを調整できる柔軟な運営モデルを強調している。

そして、同社は直近12ヶ月間の純売上高維持率を115%と、まずまずの結果を出している。

以上を踏まえ、同社の成長見通し、営業損失の縮小、妥当な評価額から、オクタに対する私の見通しは「強気」である。

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アナリスト紹介

ドノヴァン・ジョーンズ
拠点:米国
セクター:テクノロジー・IPO

ジョーンズ氏は、米国を拠点とする株式リサーチのスペシャリストであり、15年にわたり、米国のソフトウェア関連企業やIPO企業の投資を分析。主に、「高成長テクノロジー銘柄」、「消費者関連銘柄」、「資本財・サービス関連銘柄」、「メディア関連関連」、「ライフサイエンス銘柄」に焦点を当て、ファンダメンタル分析を用いて企業分析を実施。

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