【米国株投資】NLインダストリーズ / NL:高配当狙いの投資家におススメの米国小型株

Ticker: NL / 2786文字 / 所要時間6分程度 / ダニル・セレダ

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サマリー

  • NLインダストリーズは、強力なファンダメンタルズに加え、債務が一切ない、未発掘の高配当銘柄である
  • 同社は、子会社が成長トレンドにあり、且つ、少数株主であるクロノス・ワールドワイド(Kronos Worldwide)の見通しが良好である
  • 同社は、6%という高水準の配当利回りを維持しており、予期せぬ展開がない限り、今後数年間で更に特別配当を実施する可能性があると見ている
  • 以上より、同社の現在の割安なバリュエーションで投資することで、長期目線の投資家は、不測の事態が起こらない限り、高水準の配当収入と共に、多額の利益を享受できる可能性があると考える

会社概要

NLインダストリーズ(NL)は、多角経営持株会社であり、主に子会社であるCompX International社(CIX)を通じて事業を展開している。

CompX社は、レジャー用の輸送サービス、郵便サービス、オフィス・施設用家具、高級家具、ヘルスケア、ガソリンスタンドなど、さまざまな業界に対応するセキュリティ製品、および、レジャー用船舶部品の大手メーカーである。

セキュリティ製品に加え、CompX社は、レクリエーショナル・マリン業界向けにステンレス製排気システム、計器類、スロットル・コントロール、航跡向上システム、トリムタブなども製造している。

また、NLインダストリーズは、クロノス・ワールドワイド社の重要な株式を保有している。

クロノス・ワールドワイド社は、塗料、プラスチック、製紙などの用途に使用される付加価値の高い二酸化チタン顔料の世界的な製造・販売会社であり、欧州市場に重点を置いている。

財務状況と今後の展望

NLインダストリーズの収益は力強い成長軌道を示し、パンデミック前の水準を大幅に上回っている。

2021年度の同社の売上高は、パンデミックの課題にもかかわらず、2019年度の1億2,420万ドルから1億4,080万ドルに達した。

この傾向は2022年度も続き、同社は1億6,660万ドルの収益を計上した。

しかし、2023年度上半期には、約6%の微減収となった。

これは、主にセキュリティ製品部門の減収と、マリンコンポーネント部門の若干の落ち込みによるものである。

市場の厳しい状況にもかかわらず、同社は30%前後の安定した売上総利益率を維持し、効果的なコスト管理を行っている。

上半期の最終赤字は、クロノス・ワールドワイドへの投資による持分損失、有価証券評価損、英国の年金制度終了に伴う一時的な非現金損失など、営業外要因によるものであった。

同社は有利子負債を持たず、多額の現金を保持する、強固なバランスシートを維持している。

さらに、2023年上半期には、営業キャッシュフローの大幅な成長を実現しており、これは、好調な財務パフォーマンスを反映していると見ている。

具体的には、営業キャッシュフローは、前年比で約55%増加した形となった。

まとめると、NLインダストリーズは、一貫した収益成長と堅実な財務マネジメントの歴史を有している。

2023年上半期の最終赤字は、主に非営業関連の要因によるものであり、同社の中核事業の強みを反映しておらず、結果として、足元の株価下落により、魅力的な投資機会を提供していると考えている。

CompX社の短期的な見通しは、労働市場の改善と事業展開地域の資材価格の安定により、引き続き明るいと見ている。

サプライチェーンは比較的安定しており、輸送の遅れは最小限に抑えられている。

CompX社は、曳船市場でいくつかの課題に直面しているが、工業用顧客向けの売上増がこの落ち込みを部分的に相殺すると予想される。

全体として、CompX社は、舶用部品の売上総利益率が、前年と同程度を維持すると予想している。

NLインダストリーズの収益は主にCompX社から得ており、CompX社には2つのセグメントがある。

それは、セキュリティ製品部門とマリンコンポーネント部門である。

クロノス・ワールドワイド社の少数株主持分がNLインダストリーズのバランスシートに影響を及ぼしているが、クロノス社の事業の長期的見通しは楽観的であると見ている。

クロノス社は、2023年に顧客需要が徐々に改善し、需要の増加に伴って販売価格が上昇し、利益率が改善すると見込んでいる。

また、一時的な課題にもかかわらず、クロノス社は、酸化チタン業界に対する前向きな見通しを維持している。

更に、NLインダストリーズは、1996年以来継続して配当金を支払ってきた歴史があり、インカム志向の投資家にとって魅力的な選択肢となっている。

2023年上半期の好調な業績と、CompX社の前向きな見通しに基づき、NLインダストリーズの年間営業キャッシュフローは少なくとも3,000万ドルになると予想され、年間配当金1,400万ドルを余裕で賄えるだろう。

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年間資本支出が少ないことから、NLインダストリーズは少なくとも2500万ドルの年間フリー・キャッシュ・フローを生み出すことが予想される。

有利子負債はゼロで、約1億4,100万ドルの潤沢な手元資金があり、フリー・キャッシュ・フローと配当金のギャップをカバーできる。

さらに、NLインダストリーズは、2022年8月に7%の特別配当を実施し、財務状況とキャッシュフローへの自信を示していることが伺える。

このことは、今後さらに特別配当が行われる可能性を示唆しており、投資対象としての同社の魅力をさらに高めている。

バリュエーション

NLインダストリーズの現在の時価総額は、株価4.80ドルで約2億3500万ドルである。

注目すべきは、同社が現金、現金同等物、有価証券を1億4100万ドル保有しており、有利子負債がゼロであることである。

その結果、株価4.80ドルでの企業価値はおよそ9400万ドルとなる。

同社の2023年度の売上高と調整後EBITDAの予測は、それぞれ約1億6,000万ドルと1,900万ドルである。

このため、株価4.80ドルでのEV対2023年度売上高比率は約0.6倍、EV対2023年度調整後EBITDA比率は約5倍となる。

簡単に言えば、同社は、様々な財務的観点から、著しく過小評価されているように見える。

結論

保有資産の分散を図り、REITのようなレバレッジの高い企業を避けたいインカムゲインを求める投資家にとって、NLインダストリーズは魅力的な機会を提供している。

同社は、約6%の魅力的な普通配当を提供しており、その強固な財務体質、低水準のバリュエーション、更に、前向きな見通しは、インカム(配当)・ポートフォリオにとって魅力的な選択肢となっている。

以上より、最近の株価調整は、市場のセンチメントとボラティリティに影響を受けており、私自身を含めた多くの投資家が、同社を長期的に魅力的な投資機会として見ていると考える。

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アナリスト紹介

Danil Sereda / ダニル・セレダ
拠点:カザフスタン
セクター:成長株、テクノロジー、エネルギー

金融の学士号を持つダニル氏は、ネスレの経理部門でインターンとしてキャリアをスタート。その後、株式リサーチ・アナリストに転身し、現在では、富裕層向けファミリー・オフィスのチーフ・インベストメント・アナリストに就任。隠れた銘柄の発掘を得意とするほか、ブルーチップ、ETF、株式市場における業界固有のイベントやマクロイベントもカバー。加えて、彼のリサーチは、ウォール・ストリート(金融業界あるいはニューヨークを中心とする地域)とメイン・ストリート(金融以外の産業あるいは米国各地のこと)の架け橋となるべく、主要投資銀行やヘッジファンド等の信頼できる情報源を参照することで、より透明性の高いものとなっている。そして、投資判断に不可欠な、情報へのアクセスを民主化し、複雑な金融市場をナビゲートする際の透明性を提供することをミッションとしている。

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