フォーティネット / FTNT:サイバーセキュリティ関連成長株の最新の決算分析と今後の株価見通し(Fortinet)

Ticker: FTNT / 3672文字 / 所要時間8分程度 / 中立

サマリー

  • フォーティネットは、世界中の組織にITとセキュリティ・ソリューションを提供するサイバーセキュリティ企業である
  • 同社の収益の伸びは鈍化しているが、利益の伸びは継続している
  • 2桁の収益成長が回復するまで、私は同社に対して中立と見ている

フォーティネットについて

フォーティネット(FTNT)はカリフォルニア州サニーベールに本社を置くサイバーセキュリティ企業である。

同社は、エンドポイント、ファイアウォール、および関連するサイバーセキュリティ・ソリューションとソフトウェアを世界中の組織に提供している。

同社は、今後数四半期はトップラインの収益成長が鈍化しているため、経営陣が2桁の収益成長を達成するまで、私の同社に対する見通しは中立である。

概要と市場

2000年にケン、マイケル兄弟によって設立されたフォーティネットは、サイバーセキュリティ分野の主要プレーヤーとしての地位を確立しており、特に最初の主要製品である物理ファイアウォール(Physical Firewall)FortiGateで知られている。

同社は長年にわたり、無線アクセスポイント、サンドボックス、メッセージング・セキュリティ・ソリューションなど、提供する製品を拡大してきた。

更に、同社は、2009年11月に株式を公開し、世界各地にオフィスを構えている。

同社のCEOであるケン氏は、サイバーセキュリティ分野で豊富な経験を持つ米国の実業家である。

同社を率いる前は、Systems Integration Solutions(SIS)とNetScreenを設立し、後者は2004年に40億ドルでジュニパーネットワークスに買収されている。

また、中国で生まれ育ったケン氏は、清華大学で電気工学の学士号と修士号を、スタンフォード大学で電気工学の修士号を取得している。

フォーティネットの製品とサービスには次のようなものがある。

– Fortinet Security Fabric

– FortiGate UTM

– FortiGate エンタープライズ

– FortiGate キャリア

– FortiSwitch

– FortiAP

– FortiWeb

– FortiSIEM

– FortiSandbox

– FortiClient

– FortiManager

– FortiAnalyzer

– FortiEDR

これらの製品に加え、フォーティネットは次世代ファイアウォール、アンチウイルスプログラム、侵入防止システム、アンチスパイウェア、アンチスパム、VPN、ワイヤレスセキュリティ、アプリケーション制御、Webフィルタリング、セキュリティ情報およびイベント管理などのサービスも提供している。

市場と競争環境

サイバーセキュリティ市場の2022年の市場規模は1,540億ドルで、2030年には4,250億ドルに成長し、年平均成長率(CAGR)は13.8%になると予測されている。

この市場を牽引している理由としては、製造業、銀行、金融サービス、保険(BFSI)、医療など、様々な分野で企業向けセキュリティ・ソリューションの導入が進んでいるためである。

この成長を支えているのは、自分たちのシステム、ネットワーク、プログラムを、「機密情報の改ざん、アクセス、破壊、ユーザーからの金銭の強要、通常のビジネスプロセスの中断」等の日々のデジタル攻撃から保護する必要があるためである。

市場セグメント別では、サイバーセキュリティは以下のように分類される。

– ネットワーク・セキュリティ

– エンドポイント・セキュリティ

– クラウド・アプリケーション・セキュリティ

– セキュア・ウェブ・ゲートウェイ

– アプリケーション・セキュリティ

ネットワーク・セキュリティは2022年に最大の市場シェアを占めたが、これは主に仮想企業ネットワーク(Virtual Enterprise Network)環境の拡大によるものである。

しかし、クラウド・アプリケーション・セキュリティは、世界的なクラウドインフラストラクチャの導入拡大に牽引され、2023~2030年の予測期間中に最も高い成長率を記録すると予想される。

そして、サイバーセキュリティ市場の主要企業は以下の通りである。

– Cisco Systems

– IBM Corporation

– Proofpoint

– Microsoft

– Palo Alto Networks

– Zscaler

– Broadcom

– F5 Networks

– Check Point Software Technologies

– Sophos Ltd.

これらの企業は、業界の進化し続けるサイバーセキュリティ・ニーズに対応するため、様々なコンポーネント・ソリューションとサービスを提供し、市場に不可欠な存在となっている。

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最近の財務動向

四半期別の総収益(青色の線:Total Revenue)は上昇基調を維持しており、四半期別の営業利益(赤色の線:Operating Incom)は直近の四半期で上昇している。

四半期別の売上総利益率(緑色の線:Gross Profit Margin)は、最近の四半期でわずかに上昇傾向にある。

また、四半期別の総収益に対する販売費および一般管理費(茶色の線:Selling, G&A % Of Revenue)の割合は、足元、狭い範囲内で変動している。

希薄化後1株当たり利益(赤色の線:Earnings Per Share)は、下記のグラフの通り、上昇傾向にある。

(上記チャートのデータは全てGAAPベース)

また、過去12ヶ月間、同社の株価は、Palo Alto Networks (PANW) の103.1%上昇に対し、僅か17%しか上昇していないのが現状である。

バリュエーションとその他の指標

以下は、同社に関連するバリュエーションの表である。

成長、利益、フリー・キャッシュ・フローに余裕のある前提を用いたDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)に基づくと、同社の理論株価は、現在の58ドルに対して、約52ドルで評価されることになり、潜在的に、既に同社の価値が十分に価格に織り込まれている可能性が高い。

また、40%ルールとは、ソフトウェア業界の経験則であり、売上高成長率とEBITDA成長率の合計が40%以上であれば、その企業は、ソフトウェア企業として、許容できる成長とEBITDAの軌道に乗っていることを示すものである。

下表のように、同社の直近の調整前40%ルールの計算値は、2023年第3四半期決算時点で48.9%であったため、下表の通り、同社はこの点で非常に優れたパフォーマンスを上げている。

フォーティネットに関するコメント

2023年第3四半期決算を対象とした前回の決算説明会では、経営陣からの発言として下記の点が強調された。

  • 第3四半期の営業利益率とフリーキャッシュフローが予想を上回り、売上高の成長率も堅調。
  • しかし、セキュアネットワーキングの成長鈍化により、ビルディングおよび製品収入は予想を下回った。
  • SASE(セキュア・アクセス・サービス・エッジ)の市場規模は170億ドルで、2027年までに年平均成長率20%で360億ドルに拡大すると予想されており、同社はこの分野に一層の力を注いでいる。
  • 経営陣による人件費およびその他コストの管理努力により、営業利益率は27.8%となり、ガイダンス範囲を230bp上回った。
  • フリー・キャッシュ・フローは4億8,100万ドルと好調で、これは36%のマージンに相当する。
  • 今後の収益ガイダンスでは、トップラインの成長は今後数四半期は緩やかで、2024年後半には2桁成長に戻ると予想される。
  • 海外新興市場は力強い成長を示したが、欧州と米国は低調だった。
  • 買収に関しては、経営陣は市場での地位を高めるために統合可能な企業を探すことに前向きである。

経営のトレンドとしては、セキュリティ運用とSASEへの移行、特にSASE市場におけるCapExからOpExへの顧客の嗜好の変化、セキュリティ保護されたツールのシームレスな統合に対するセキュリティ需要の統合などが挙げられる。

以上より、今後、数四半期におけるトップラインの収益成長が緩やかであることを踏まえ、2024年に2桁の収益成長が回復するまで、同社に対する私の見通しは中立である。

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アナリスト紹介

Donovan Jones ドノヴァン・ジョーンズ
拠点:米国
セクター:テクノロジー・IPO

ジョーンズ氏は、米国を拠点とする株式リサーチのスペシャリストであり、15年にわたり、米国のソフトウェア関連企業やIPO企業の投資を分析。主に、「高成長テクノロジー銘柄」、「消費者関連銘柄」、「資本財・サービス関連銘柄」、「メディア関連関連」、「ライフサイエンス銘柄」に焦点を当て、ファンダメンタル分析を用いて企業分析を実施。

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