【米国株投資】コルゲート・パルモリブ / CL:営業費用増加に伴う低い収益性がボトルネック – Part 1

Ticker: CL/ 3458文字 / 所要時間7分程度 / Sell / グラント・ジリオッティ

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サマリー

  • コルゲートは、家庭用、および、パーソナルケア製品において、多様な製品ポートフォリオを有していることから、今後の潜在的な市場における消費支出の減少による影響を抑えることができると見ている
  • パーソナルケア市場における競争の激化は、足元のコルゲートの株価下落の一因となっている
  • 同社は、自社株買い、ネット・ゼロ・ウェイスト(廃棄物の実質排出ゼロ化)の目標、世界的なプレゼンスにより、その安定性、一貫性、持続可能性で知られている
  • 本記事では、「同社のファンダメンタルズ」、「同社の現在の株価に対する本質的な価値」、そして、「同社が現在投資に値するかどうか」に焦点を当てている

コルゲート・パルモリブは、家庭用、および、パーソナルケア用の幅広い製品を提供し続けている。

この製品ラインアップの多角化により、同社は、現在の経済環境において、他業界で見られるような個人消費の落ち込みから免れることができている。

同社の安定性は、市場経済が不安定なこの時代において、同社を非常に魅力的な銘柄にしている。

実際に、同社の利益は、毎年上下に変動しているが、同社は一貫して売上高を伸ばしている。

そして、同社の世界的な事業展開と認知度の高いブランドが、今後も同社の売上を伸ばし続けるはずであると見ている。

Eコマースの台頭により、様々なビジネスモデルが成功するようになり、コルゲートの市場にも新たな競合が参入してきている。

現在、同社はまだ非常に健全なマージンを維持しているが、競争による価格圧力が将来的に同社のマージンを圧迫する可能性がある。

同社のグローバルな事業展開は、良好な成長ポテンシャルを提供しているが、関税や為替レートの変動等、地政学的環境の変化による影響を受ける可能性もある。

また、インフレは、同社の原材料価格に影響を与える可能性があり、競争激化による価格圧力により、消費者に転嫁されない可能性もある。

しかし、これらの潜在的な問題は、会社全体の相対的な安定性と一貫性に比べれば小さいように思われる。

多くの小売企業と同様、同社にも、より持続可能性の高い企業となることを目指して努力する使命がある。

同社は、より広範な地域社会の向上計画の一翼を担うだけでなく、気候変動への影響を軽減するための投資も継続している。

これらの取り組みが、直接売上高に反映されるわけではないが、各企業の社会的影響力(貢献)が消費者の購買行動に与える影響が日々拡大し続けていることは事実である。

その為、地域社会における同社の貢献は、消費者の同社製品の購買に関する原動力となるはずであると見ている。

また、同社は、自社株買いを継続的に実施しながら、配当額を増やし続けている。

このような株主還元は、ポートフォリオの中に保有する銘柄として、安定した企業であることを示す良い兆候である。

同社に関するこれらの時事ネタを検討する際には、どのニュースが同社とその株価に長期的、且つ、継続的な影響を及ぼすかを見極める必要がある。

同社は一貫して安定した成長を維持しているようであり、今後懸念される経済状況の悪化局面においても、低リスクの銘柄であると見ている。

同社が販売する製品は、世界的に必要不可欠な製品であることを踏まえると、経済的要因による消費者支出の減少から受ける影響は限定的であると見ている。

Eコマースの台頭により、ホームケア、および、パーソナルケア分野での競争は激化しており、将来同社に影響を与える可能性がある。

現在のニュース記事の内容の良し悪しが、特定の企業への投資に関する私達の意見を左右することもあるが、本質的には、各企業のファンダメンタルズをしっかりと分析し、それらの企業が過去にどのような状況にあり、現在、どのような方向に向かっているのかを確認することは大事なことである。

本記事では、投資対象として同社をよりよく理解するために、同社の長期的なファンダメンタルズに焦点を当てる。

また、現在の同社の株価に対して、本質的な企業価値を分析し、同社が現在バーゲン価格で取引されているかどうかを判断することをお手伝いできたらと思っている。

その為、私は、会社の将来のリターンを推定する上で役立つ様々なシナリオを提供していきたいと考えている。

そして、最後に、同社に対するポジションを持つことに興味があるかどうか、またその理由についての、私の個人的な意見をお伝えしたい。

会社概要

弊社のBTMA Stock Analyzerの企業レーティング・スコアを使うと、事業の全体的な状況を素早く把握することができる。

当システムによると、コルゲート・パルモリブのレーティングスコアは100点満点中72.3点である。

これはまずまずのスコアではあるが、改善の余地は十分にある。

結論を急ぐ前に、個々のカテゴリーを詳しく調べてみたい。

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ファンダメンタルズ

コルゲートは過去10年間、緩やかながらも着実に株価を上げ続けてきた。

着実な同社の増収増益トレンドが、同社の株価の着実な上昇に繋がっている。

競争の激化が続き、売上高が落ち込めば、近いうちに小さな調整があるかもしれない。

コルゲートというブランド全体が、市場全体における強力な存在感を維持し続け、例えそれが小さなインパクトであっても、当社が成長を続ける上で役立つはずであると考える。

全体として、同社の株価は過去10年間で約40%成長し、年平均成長率は3.8%である。

この数字だけ見ると、同社のリターンは注目に値するものではないかもしれない。

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収益性

一株当たり利益は僅かな変動を示しているが、全体的な利益は過去10年間ほぼ安定している。

コルゲートは売上高を伸ばし続けているが、前年比の利益は日々のコストにより失われ、会社の利益には反映されていないのが現状である。

利益が安定していることは構わないのであるが、本音としては、投資家は、成長を実現するために一貫して利益が増加することを望んでいる。

販管費の増加等により、営業費用が利益を圧迫し続けている。

これは、増加する売上高が再投資に充てられず、日々の’営業費用に食い潰されてしまっていることを示しており、少々懸念すべき点である。

そして、この兆候は、ホームケアとパーソナルケアの分野での競争の激化に伴うものと思われ、注視する必要がある。

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(出典:BTMA Stock Analyzer – EPSヒストリカル・データ)

一株当たり利益と株価が、必ずしも全体像を示すとは限らないため、売上総利益、自己資本利益率、投下資本利益率など、他の要因にも目を向けるべきである。

自己資本利益率

自己資本利益率(ROE)は、レバレッジが高く、株主資本が小さい企業を示す上で用いられる。

私は、個人的には、この指標を、企業の実際の健全性を判断する上で、正確な分析手法として信用することには懐疑的である。

自己資本利益率(ROE)は、表面的には非常に高く見えるが、掘り下げてみると、長期負債が非常に多い会社であることがわかる。

自己資本利益率(ROE )については 、私は5年平均で16%以上のものを探している。

そのため、同社はこの条件を上回っているが、これが同社の潜在能力を正確に表しているとは思っていない。

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(出典:BTMA Stock Analyzer – ROEヒストリカル・データ)

同社のROEを同業他社と比較してみたい。

家庭用品メーカー127社の平均ROEは33.18%である。

したがって、同社のROEは異常値であり、この1つのファンダメンタルズに過度の重きを置くべきではないと見ている。

投下資本利益率

投下資本利益率(ROIC)は、過去5年間で減少している。

同社は過去数年間、前年比で資本支出を増やし続けている。

そして、1ドルの支出に対して得られるリターンは年々減少している。

同社が事業への再投資を続けているのは良いことだが、少なくともその投資に対するリターンを安定的に維持して欲しいというのが本音である。

投下資本利益率についても、私は5年平均で16%以上を求めている。

その為、同社は、依然としてこの水準を上回っているわけである。

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(出典:BTMA Stock Analyzer – 投下資本利益率ヒストリカル・データ)

この記事の続きを読むには、「コルゲート・パルモリブ:銘柄分析 – Part 2」をご覧ください。

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アナリストによる開示:私は、この記事で言及されている企業の株式に関するポジションを現時点で保有しておらず、また、今後5日以内にそのようなポジションを持つ予定もありません。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

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アナリスト紹介

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Grant Gigliotti グラント・ジリオッティ
拠点:米国
セクター:バリュー株、大型株、中長期投資

ジリオッティ氏は、「 BTMA Stock Analyzer」を提供する、 Beat The Market Analyzerの創設者です。ウォーレン・バフェットのバリュー投資戦略に基づき、バーゲン価格で優良企業を発掘することに日々注力しております。ジリオッティ氏、強固なファンダメンタルズを持っている企業を、本源的価値から大幅にディスカウントされている価格で購入することを目指しています。主に、「高成長テクノロジー銘柄」、「消費者関連銘柄」、「資本財・サービス関連銘柄」、「メディア関連関連」、「ライフサイエンス銘柄」に焦点を当て、ファンダメンタル分析を用いて企業分析を行っています。

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