ブロードコム / AVGO:半導体・AI関連成長株の最新の決算分析と今後の株価見通し(Broadcom)

Ticker: AVGO / 3373文字 / 所要時間7分程度 / 強

  • ブロードコム(AVGO)の2024年度第4四半期決算は、多くの解釈を必要とする内容であった
  • 現在の株価は将来フリー・キャッシュ・フローの15倍であり、このバリュエーションをどう考えるべきか
  • 最近のVMwareの買収とAI技術への注力は、ブロードコムのイノベーションへのコミットメントと成長の可能性を浮き彫りにしているように見える

投資テーマ

ブロードコム(AVGO)の2024年度第4四半期決算は、多くの解釈を必要とする内容であった。

例えば、同社の大規模な買収により、今後12ヶ月間の同社の売上高営業利益率は65%という非常に高いEBITDAマージンから約60%に低下することが予想される。

実際に、市場の投資家は、AI分野ではない同社の残りの事業が苦戦しているという事実とともに、この点に注目したことだろう。

とはいえ、私はこの銘柄に対して強気であることに変わりはない。

というのも、同社は非常によく管理されているだけでなく、来年の今頃には、同社の株価は、将来フリー・キャッシュ・フローの15倍以下になっていると見ているからである。

そしてそのバリュエーションは、半導体セクターにおける銘柄であることを考慮するとバーゲン価格である。

さらに詳しく説明する前に、同社は2023会計年度第4四半期の決算を発表したばかりであることに留意して欲しい。

判断材料 / Food for Thought

私は、2023年5月6日に同社に対して強気で見始め、その日、株価は力強く上昇した。

そして、その日の最高値は870ドルであった。

その日以来、私は四半期ごとに4.60ドルの配当金を2回受け取ることになった。

従って、私が強気に転じた日の最高値で買ったと仮定すると、株価は四半期配当を含めて7%上昇していることになる。

しかし同時に、私の推奨した同社株は、エヌビディアよりもボラティリティが圧倒的に低かったことにも注目してほしい。

今にして思えば、エヌビディアは、私の推奨する同社株をアウトパフォームしていたのは事実である。

しかし、私が推奨した同社株のボラティリティは、エヌビディアよりも遥かに低い点も事実である。

後から振り返ってみれば、勝者を指摘するのは簡単なことであるが、実際の投資においては、後知恵で投資することはできないのが現状である。

ブロードコムの当面の見通し

私がブロードコムを推奨したとき、彼らがこれほど大規模な買収を行うとは知らなかった。

しかし、その事業が大きなフリーキャッシュフローを生み出すものであり、バランスシートが非常に強固であることは知っていた。

私のレポートを頻繁に読んでいただいている読者の皆様は、私がフリー・キャッシュフローにこだわっていることをご存じだろう。

非常に強力なフリー・キャッシュ・フローがあり、期待値がそれなりに低ければ、良いこと(株価の上昇)が起こりうると考えている。

そして、特定の銘柄が特にアウトパフォームする時は、その企業に関するストーリーに変化があった時である。

簡単に言えば、当時、私は、同社の聡明な経営陣はバランスシートの柔軟性を活用して、上昇の可能性を引き出す何らかの方法を見出すことができると考えていた。

一方で、この事業の一部は現在好調とは言えず、ブロードコムの成長率を押し下げているのは明らかである。

上に示したように、同社の総収益の 15% は、注目度の高い半導体AIセクターに関連している。

詳細が曖昧なため、どの程度好調なのかははっきりとは分からないが、この分野は好調に推移している模様である。

しかし、残りの半導体部門が苦戦しているのも事実である。

ブロードコムは、AI関連技術の需要拡大に対応するために戦略的なポジションを確立しており、2023会計年度第4四半期におけるAI部門の収益成長率を見ても明らかである。

イーサネット・ソリューションとカスタムAIアクセラレータに重点を置いているのである。

これは、ブロードコムがイノベーションを起こし、市場の進化するニーズに応える能力を備えていることを裏付けている。

2023年11月下旬のVMwareの買収は、AI業界におけるブロードコムの地位をさらに強化することとなった。

VMwareを世界中の大企業向けのプライベートおよびハイブリッド・クラウド環境の構築に再注力することで、ブロードコムはクラウド・コンピューティングとAIインフラストラクチャの急成長市場への参入を目指している。

しかし、有望な見通しとは裏腹に、ブロードコムは逆風にも直面している。

重大な懸念事項の1つは、半導体部門、特に企業や通信企業の景気減速である。

これらの主要市場で減速が続くと、ブロードコムの収益源に影響を与え、堅調な成長を維持する妨げになる可能性がある。

さらに、ハイパースケーラは引き続き同社の牙城であるが、半導体事業の他のセグメントにおける循環性がリスクとなる。

さらに、VMwareとの統合は好機ではあるが、2024会計年度には10億ドル近い移行費用が発生することになる。

この移行を効果的に管理することは、同社がこの買収によって期待される利益を実現する上で非常に重要である。

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売上高成長率には解釈が必要

ブロードコムは、継続して買収を続ける企業である。

これは、セールスフォース(CRM)のように、自社で費用を投じて技術を開発するよりも、他の企業の技術を購入することを好む企業であることを意味している。

連続的な買収を行う経営陣の大半は、帝国を建設することに熱中するあまり、株主に適切なリターンを提供できないことが多い。

しかし、ブロードコムの場合は異なると見ている。

VMWareの巨額買収によって多大な成長を遂げたとはいえ、同社の根本的な成長は年平均成長率5%前後とかなり低調である。

しかし、同社株式に対する投資テーマの素晴らしさは、その素晴らしい成長率にあるのではない。

とはいえ、今後2~3四半期で同社のAI半導体事業は、より真剣に受け止められるだけの規模になると私は信じている。

しかし、実際に、私の同社株式に対する強気ケースを裏付ける理由は次のセクションにある。

将来フリー・キャッシュ・フローの17倍のバリュエーションは魅力的

下の表から分かるように、同社のEBITDAからフリーキャッシュフローまで、2023年には50億ドル強の差がある。

したがって、経営陣が2024年度に約300億ドルのEBITDAを見込んでいる場合、フリー・キャッシュ・フローは240億ドル程度になると考えられる。

2024 会計年度には、VMWare の買収でさらに10億ドルのリストラ費用が必要になることを忘れないで欲しい。

つまり、同社のフリーキャッシュフローは230億ドル程度になると考えられる。

これは、株価が将来フリー・キャッシュ・フローの17倍で取引されていることを意味する。

さらに、ブロードコムは2025年度に設備投資をそれほど行う必要がなくなる。

また、経営陣は、ブロードコムが2024年度を終了する頃には、EBITDAマージンが64%程度に戻る可能性が高いと説明している。

したがって、同社が2024会計年度を終了し、2025会計年度を迎える頃には、同社の株式は、将来フリー・キャッシュ・フローの15倍程度になっている可能性がある。

結論

最近のVMwareの買収とAI関連技術への注力は、ブロードコムのイノベーションへのコミットメントを強調するものである。

一方で、一部のセグメント、特に AI 関連以外のセクターでは苦戦しているのも事実である。

同社の株価は、将来フリー・キャッシュ・フローの17倍で取引されており、投資家にとっては大きなチャンスであると見ている。

VMwareの買収とリストラ費用を考慮した将来的な財務状況を見ると、2025会計年度(今から12カ月後)には、将来フリー・キャッシュ・フローの15倍程度で評価される可能性がある。

このバリュエーションは、同社のEBITDAマージンの改善見込みと相まって、同社株への強気ケースをさらにサポートしている。

投資家は、同社への投資を考える際に、同社の優秀な経営陣、AI分野での地位、将来フリー・キャッシュ・フロー・ベースでの割安なバリュエーションを考慮するべきであると考える。

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アナリストによる開示:私はAVGOに関するロング・ポジションを現在保有しております。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

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アナリスト紹介

Michael Wiggins De Oliveira マイケル・ウィギンズ・デ・オリベイラ
拠点:イギリス
セクター:エネルギー、コモディティ、テクノロジー

オリベイラ氏は、エネルギー・セクター、並びに、テクノロジー・セクターの専門家であり、「脱炭素化」、「AIによるデジタル化」、「脱グローバル化」の波が交差する「エネルギー・セクターの大きな転換期」を正確に捉え、より大きな投資リターンを実現することにフォーカスしている。オリベイラ氏は、9年以上に渡る数々の企業分析を通じて、上記の分野における卓越した専門的経験を持つ。

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