ブリティッシュ・アメリカン・タバコ / BTI / 予想配当利回り10%:連続増配タバコ銘柄の最新の株価分析と今後の見通し – Part 1

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サマリー

  • タバコは社会的に非難されており、規制も厳しい製品だが、世界的な需要は急増している
  • どれだけ頻繁に値上げしても、どれだけ重税を課しても、どれだけ健康への悪影響について教育しても、常に買い手は存在し、最小限の投資で継続的なキャッシュフローを生み出すことができる産業である
  • そして大手タバコ会社は、社会的に受け入れられ、また推奨される製品カテゴリーのポートフォリオを拡大している
  • 本稿では、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ株への足元の非合理的にも見える売り圧力を分析し、利回り10%という絶好の機会であることを検証したい

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(年間予想配当利回り10%)

BATとして知られるブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI )は、今年、可燃性タバコ業界にとって強い政治的逆風が吹き荒れたことから、大幅にアンダーパフォームすることとなった。

たばこビジネスは、少なくとも先進国では、生き残りをかけた深刻な社会的・政治的課題に直面している。

米国でのメンソールタバコの禁止案から始まり、英国ではリシ・スナック首相が歓迎し、チャールズ3世が支持している、「タバコのない世代」を実現するための計画がまとめられている。

(出典:ヤフーファイナンス

但し、どんな規制や法律の決定も、発効までには何年もかかることに留意しなければならない。

メンソールタバコの禁止は2013年から協議されており、最終的に2023年12月に施行されることになっていた。

そして最近 、禁止が延期されるという発表が あった。

そしてBATは最近 、 2017年にRJレイノルズを経由して買収した米国ブランドに関する250億ポンドの減損損失を発表したことから、投資家の間では不穏な空気が漂うこととなった。

ブランドに無限の価値はなく、買収の簿価の評価減は、これらの資産を売却した場合にBATが得るであろう価値の現実的な調整である。

しかし、実際にはBATはこの事業を売却するわけではない。

その為、単にペーパー上の資産価値調整にとどまり、会社のキャッシュ・フロー創出に重大な影響を与えることはない。

そして、BATのような事業にとって、簿価は意味のある評価指標ではなく、むしろ、投資した資産から何を得ることができるかを検討することが重要である。

収入を生み出す資産(この場合はブランドのようなもの)の経済的価値は、時として市場価値よりもむしろキャッシュ・フローを生み出す能力と密接に結びついていることがあり、簿価の調整は、資産の継続的な実際のオペレーション上の実績と必ずしも一致するとは限らない。

原則、可燃性タバコは、新たな投資を必要としない事業である。

世界的な顧客基盤は巨大で、先進国では減少傾向にあるものの、バングラデシュ、パキスタン、メキシコ、フィリピンなど、規制が追いついていない発展途上市場では成長を続けており、需要は引き続き旺盛である。

BAT傘下のレイノルズ・アメリカンは、売上高で米国第2位のたばこメーカーであり、大幅な値上げ、健康に対する社会からの警告、重税にもかかわらず、頑強な需要を示し続けている。

BATの可燃性タバコは、粘り強い需要と絶大なブランド・ロイヤリティを持つ事業であり、BATが非可燃性タバコ事業で優位に立つまで、この収益性とキャッシュ・フローは当面続くと見ている。

減損に伴う隠れた利益

BATのレイノルズ・アメリカ資産の評価損は、基礎となるキャッシュフローに影響を与えないペーパー上の調整である。

そして、ここでひとつ特筆すべき利点がある。

それは、多くの場合、減損は税金控除の対象になるということである。

BATの2022年度の年次報告書では、同社はITCの29%の株式を報告しており、その簿価は19億ポンドであった。

現在、この株式は160億ポンド以上で評価されており、BATは、ITC投資からのキャピタルゲインを実現した場合に支払うべき税金を今回の減損で相殺することができる。

更に、BATがITC株式の売却を進めれば、その売却益は同社の純債務を最大で50%を消滅させるのに十分な額となる。

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2023年度のガイダンスは変更なし

非可燃性タバコ事業はBATの事業の中で、世界的に急成長している部分であり、BATにとって引き続き最重要課題である。

近年、BATは先進国において蒸気、ニコチン、加熱式タバコ製品に多額の投資とマーケティングを行っており、この分野は現在かなりの販売量を占めている。

(出典:2023年度上半期投資家向けプレゼンテーション

市場は、可燃性タバコ事業への将来的な投資がないことが明らかであるにもかかわらず、米国のタバコ市場のみを基準にBATを評価し、可燃性タバコ事業への今後の逆風を理由に、同社株価を著しく割安に評価している。

そして、私には、この様な足元の同社株の動きは、非合理的かつ近視眼的であるように見える。

なぜなら、可燃性タバコ事業は、既に確立された地位にあるため、今後もキャッシュフローを生み出し続け、結果的に、ポートフォリオ内のよりビジネス上安全な代替製品の成長をサポートすることになると見ている。

このプレスリリースの中で、BAT経営陣は2023年度のガイダンスを再確認し、売上高は3~5%の成長予測の下限、調整後EPSは1桁台半ばの成長を見込んでいると述べた。

さらに、BATは新カテゴリーのトップライン(売上高)の力強い成長を見込んでおり、2035年までに売上高の50%に寄与すると予想している。

割安なバリュエーションと業界屈指の配当安全性

BATは現在、10%の高利回りを維持しながら、将来利益に対するバリュエーションが極めて低い水準で取引されている。

大手タバコの同業他社の中で、BATは最も低い62%の配当性向を維持しており、これは収入源の十分な安全性と、今後数年間の継続的な配当成長の強い見通しを示していると見ている。

結論

米国会計基準(U.S. GAAP)は、企業に定期的な減損チェックを義務付けている。

そして、BATの最近の発表は、レガシーブランドからのキャッシュフロー創出や配当の安全性に影響を与えることなく、一方で、有利なタックスオフセット(税金を相殺する)の機会を提供する形となっている。

先進国では可燃性タバコが徐々に消えていくことは避けられないように見えるが、それはまだ何十年も先の話である。

遍在するこの可燃性タバコ事業からのキャッシュフローは、非可燃性タバコ事業やその他のより受け入れられやすい製品が成長と拡大を実現する上で必要な資金を提供できると見ている。

以上より、足元の同社株の急落は、10%の配当を獲得する魅力的な買い場を提供していると考える。

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アナリストによる開示:私はBTIに関するロング・ポジションを現在保有しております。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

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アナリスト紹介

Venkat Raghavan ヴェンカット・ラガーヴァン
拠点:カナダ
セクター:北米高配当銘柄

テクノロジー・アドバイザーのラガーヴァン氏は、高配当銘柄を中心に投資アイデアを執筆。執筆活動以前は、米国とカナダにて、経営コンサルタントとして、主にフォーチュン500社に含まれる大手テクノロジー企業を中心に、コンサルティング・サービスを提供。彼は、強固なファンダメンタルズと競争優位性を持ち、更に、巨大なキャッシュフローを生み出す可能性のある魅力的なビジネスモデルを特定・評価するプロフェッショナル。その為、インカム・ゲイン(配当収入)と長期キャピタルゲインを同時に狙える割安な高配当成長銘柄を投資対象としている。

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