【米国株投資】ブレイズ / BRZE:収益の多角化で効率的な成長を実現

Ticker: BRZE / 3584文字 / 所要時間8分程度 / Buy / ドノヴァン・ジョーンズ

画像

サマリー

  • ブレイズは、カスタマー・コミュニケーションおよびエンゲージメント・ソフトウェアを世界中の企業に提供している
  • 同社は、力強い成長、収益の多様化、更に、優れたカスタマー・リテンション(顧客維持)の実績を上げている
  • ブレイズに対する私の見通しは、1株当たり43.00ドル前後で「買い」である

ブレイズについて

ブレイズ(BRZE)は、2021年11月に米国に上場し、1株当たり65.00ドルのIPOを通じて、総額、約5億6500万ドルを調達した。

同社は、世界中の企業に対して、カスタマー・コミュニケーション・ソフトウェアと関連サービスを提供している。

同社の将来的な成長見通し、強力な受注残高、収益の多様化、高い純収益維持率を考慮すると、ブレイズに対する私の見通しは、1株当たり43.00ドル前後で「買い」である。

概要

ニューヨークに本社を置くブレイズは、企業が顧客とのコミュニケーションやエンゲージメントを管理・最適化するためのソリューションを提供している。

2011年に設立された同社は、マサチューセッツ工科大学(MIT)で工学の学位を取得したウィリアム・マグナソンCEOが率いている。

ブレイズが提供する主な製品は、顧客データの収集、分類、キャンペーンのアレンジ、メッセージのパーソナライズ、チャネルをまたいだコミュニケーションのサポートに重点を置いている。

このプラットフォームは、ダイレクト・セールスにより販売され、米国、英国、ドイツ、日本、シンガポールにオフィスを構え、グローバルに展開している。

ブレイズが事業を展開する市場は、顧客コミュニケーション、エクスペリエンス、リレーションシップ、エンゲージメントの各ソリューションに及んでいる。

調査会社MarketsAndMarketsのレポートによると 、この市場は2021年に13億ドルと推定され、2026年には22億ドルに達すると予想されており、これは年平均成長率11.2%に相当する。

この成長の主な原動力には、様々な業種に合わせたデジタル通信ソリューションの採用拡大が含まれる。

北米は引き続き最大の地域であるが、2026年までアジア太平洋地域が最も速い成長率を示すと予測されている。

また、COVID-19の大流行により、ロックダウン期間中も、企業が顧客との関係維持を図る必要があったことから、オンライン上での顧客エンゲージメントの需要が加速した。

一方で、ブレイズは、顧客とのコミュニケーションとエンゲージメントの分野で他の大手ベンダーとの競争に直面している。

しかし、ブレイズは、その包括的なプラットフォームの機能と世界的なプレゼンス故に、市場の成長の恩恵を受けるのに有利なポジションにある。

主な業界のプレイヤーは以下の通りである。

  • Adobe
  • Salesforce
  • Airship
  • Iterable
  • Leanplum
  • MailChimp
  • MoEngage
  • Weave Communications

最近の財務動向

四半期別総売上高(Total Revenue)は成長を続けている。

四半期別営業利益(Operating Income)は、最近若干の改善が見られるものの、大幅なマイナスで推移している。

画像

四半期別売上総利益率(Gross Margin Profit)は上昇傾向にあり、四半期別総売上高に占める販売費および一般管理費の比率(Selling, G&A % Of Revenue)は高水準で推移しているが、低下傾向にある。

画像

希薄化後の1株当たり利益(Earnings Per Share (Diluted))はマイナスのままだが、ブレークイーブンに向けて前進している。

画像

(上記グラフのデータはすべてGAAPベース)

過去12ヶ月間、ブレイズの株価は68.06%上昇したのに対し、iシェアーズ・エクスパンデッド・テクノロジー・ソフトウェアETF(IGV)は37.29%のみ上昇している。

画像

貸借対照表では、同社は4億7,220万ドルの現金および現金同等物と短期投資、更に無借金で四半期を終えた。

12ヶ月間のフリー・キャッシュの使用は2490万ドルであり、その間の資本支出は600万ドルであった。

同社は、過去4四半期に8,700万ドルの株式ベースの報酬を支払っており、これは過去11四半期で最も高い数値である。

バリュエーションとその他の指標

以下は、同社に関連するバリュエーションの表である。

画像

40%ルールとは、ソフトウェア業界の経験則であり、売上高成長率とEBITDA成長率の合計が40%以上であれば、その企業は、ソフトウェア企業として、許容できる成長とEBITDAの軌道に乗っていると言える。

ブレイズの直近の調整枚40%ルールの計算値は、2024年第2四半期決算時点で6.9%であったことから、同社の業績は、下表のように前年比で悪化していることが分かる。

画像

センチメント分析

下図は、経営陣による直近のアナリスト向け決算説明会におけるキーワードの頻度を示している。

画像

このグラフは、同社がマクロ経済上の課題に直面しており、経営陣がマクロ環境の悪化が近い将来に改善することを期待していないことを示唆している。

アナリストは経営陣に対し、収益成長見通しとビジネス・モメンタム、投資のペースに関する見解 、更に、プロダクトにおけるイノベーションと顧客間でのプロダクトの使用状況に関する最新の情報について質問をした。

経営陣は、 マクロ環境は年間を通じて一貫して厳しいものであったと回答した。

ブレイズはこのような環境下でも、新規事業の成長と新規顧客の多様化によって順調に業績を伸ばしてきた。

しかし、多くのマーケティング担当者は、予算が横ばいか凍結されていることから、新製品投入の可能性は限られている模様。

同社は、生産性重視のAIは、プラットフォーム利用を促進するため、個別に収益化されることはないと考えている。

一方で、レコメンデーションや予測分析など、サービスの価値を高める一部のAI技術にはプレミアム価格がつく可能性がある一方で、AIが利益率を希薄化させることはないと見ている。

ブレイズに関するコメント

2024年第2四半期決算に関する前回の決算説明会では、経営陣が準備していた発言の中では、以下の点が強調された。

・売上高は前年同期比34%増の1億1510万ドル。

・サブスクリプション収入は総収入の95%。

・顧客総数は22%増の1,958社、年間50万ドル以上の大口顧客は24%増の173社。

・大口顧客は総ARRの57%に貢献した。

・ドルベースの純保持率は全体で120%、大口顧客では123%であった。

・これは、他のほとんどの上場サブスクリプション・ソフトウェア会社を上回る好成績である。

・収益の43%は米国外からのもの。

・残存履行義務(受注残高)は、前年同期比28%増の5億2,400万ドル。

・Non-GAAPベースの売上総利益率は、人件費とテクノロジー費用の効率化により0.7%改善し70%となった。

・営業費用は、人員増強と成長イニシアチブへの投資によりドルベースで増加したが、売上高に対する比率では改善した。

・Non-GAAPベースの営業損失は、昨年の1,750万ドルから760万ドルに改善した。

・営業活動で使用した現金は、昨年の1,630万ドルに対し1,750万ドルであった。

・フリーキャッシュフローはマイナス1,870万ドルに改善。

・ North Starの買収は2023年6月1日に完了し、200万ドル近い収益に貢献した。

・2023年第3四半期の収益見通しは1億1,650万~1億1,750万ドル(前年同期比約26%増)。

・通年での収益見通しは4億5,150万~4億5,450万ドル(約27%増)。

・経営陣は、2025年度末までに、Non-GAAPベースの営業利益とフリー・キャッシュ・フローがプラスになると見込んでいる模様。

以上より、同社の今後の成長見通し、強力な受注残高、収益の多様化、高い純収益維持率を考慮すると、私のブレイズへの見通しは、1株当たり43.00ドル前後で「買い」である。

免責事項:本レポートは投資教育を目的としており、金融、法律、投資のアドバイスを意図しておりません。また、本レポート上の情報は、誤りを含む可能性、時間の経過に伴い無関係となる可能性、また、予告なく変更・削除される可能性があります。加えて、私は投資アドバイザーのライセンスを保持しておりません。その為、投資の意思決定を下す際には、自身の財務状況について、自らの責任で調査を行ってください。更に、過去のパフォーマンスは、将来の結果を保証するものではありません。米国上場企業、または、IPO銘柄への投資は、常に大きな変動と損失リスクを伴う可能性がある点にはご留意ください。

アナリストによる開示:私は、この記事で言及されている企業の株式に関するポジションを現時点で保有しておらず、また、今後5日以内にそのようなポジションを持つ予定もありません。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

インベストリンゴによる開示:インベストリンゴは、当社コンテンツ・クリエイターが、自身の専門・得意領域に関する情報・知識を、当社のユーザーと共有する事を目的とする米国株特化型のコミュニティです。本サイトのコンテンツは、投資教育、並びに、投資情報の提供のみを目的としており、特定の投資家に対して、投資、税務、法律等のアドバイスを提供することを意図しておりません。加えて、Investlingo Japan合同会社は、日本においてライセンスを保有する証券会社、投資顧問業者、または、投資銀行ではございません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも、各コンテンツ・クリエーター個人の見解であり、Investlingo Japan合同会社の立場を反映しているものではございません。当社のコンテンツ・クリエーターは、個人投資家を含む独立したブロガー・アナリストから構成されており、公的機関等からの金融関連のライセンスを取得していない場合もございます。その為、本サイト上のいかなる情報も、インベストリンゴ、または、弊社プラットフォーム上の第三者による、金融商品の推奨、或いは、投資助言として解釈されるべきではありません。インベストリンゴは、弊社プラットフォーム上の情報に基づいて行われるいかなる投資決定に対して、一切責任を負わず、各ユーザーが単独で責任を負う点にご留意ください。

アナリスト紹介

Donovan Jones ドノヴァン・ジョーンズ
拠点:米国
セクター:テクノロジー・IPO

ジョーンズ氏は、米国を拠点とする株式リサーチのスペシャリストであり、15年にわたり、米国のソフトウェア関連企業やIPO企業の投資を分析。主に、「高成長テクノロジー銘柄」、「消費者関連銘柄」、「資本財・サービス関連銘柄」、「メディア関連関連」、「ライフサイエンス銘柄」に焦点を当て、ファンダメンタル分析を用いて企業分析を実施。

上部へスクロール