ブレイズ / BRZE / 中立:最新の24年第4四半期決算分析と今後の株価見通し(Braze)

Ticker: BRZE / 2757文字 / 所要時間5分程度 / 中立

サマリー

  • ブレイズ(BRZE)は世界中の企業にカスタマー・コミュニケーション・ソフトウェアとサービスを提供しているテクノロジー企業である。
  • 同社は2024年3月27日に24年第4四半期決算を発表しており、目覚ましい収益成長を遂げたが、営業損益分岐点達成に向けた有意義な進展はない。
  • それらを踏まえ、私は同社株式を「中立」に格下げすることとする。

ブレイズについて

ブレイズ(BRZE)は3月27日、2024年第4四半期決算を発表し、売上高とコンセンサス利益の予想を上回った。

同社は世界中の企業にカスタマー・コミュニケーション・ソフトウェアと関連サービスを提供しているテクノロジー企業である。

そして、同社は成長を続けているが、営業損失も高水準となっている。

そのため、当面の間、または、経営陣が営業損益分岐点に向けて有意義な進展を遂げるまで、私は同社株式に対する見通しを「中立」に格下げすることとする。

ブレイズの概要

ニューヨークを拠点とするブレイズ(BRZE)は、企業が顧客とのコミュニケーションやエンゲージメントを管理・最適化するためのソリューションを提供している。

2011年に設立された同社は、マサチューセッツ工科大学(MIT)で工学の学位を取得したウィリアム・マグナソンCEOが率いている。

同社が提供する主な製品は、顧客データの収集、分類、キャンペーンの調整、メッセージのパーソナライズ、チャネルをまたいだコミュニケーションの実行に重点を置いている。

このプラットフォームはダイレクト・セールスにより販売され、米国、英国、ドイツ、日本、シンガポールにオフィスを構え、グローバルに展開している。

同社が事業を展開する市場は、顧客コミュニケーション、エクスペリエンス、リレーションシップ、エンゲージメントの各ソリューションに及んでいる。

調査会社MarketsAndMarketsのレポートによると 、この市場は2021年に13億ドルと推定され、2026年には22億ドルに達すると予想されており、これは年平均成長率11.2%に相当する。

この成長の主な原動力には、さまざまな業種に合わせたデジタル通信ソリューションの採用拡大が含まれる。

北米は引き続き最大の地域であるが、2026年までアジア太平洋地域が最も速い成長率を示すと予測されている。

また、COVID-19の大流行により、企業がロックダウン期間中も顧客との関係を維持しようとしたため、デジタル顧客エンゲージメントの需要が加速した。

ただし、同社は、顧客とのコミュニケーションとエンゲージメントの分野で他の大手ベンダーとの競争に直面している。

しかし、Brazeは、その包括的なプラットフォーム機能と世界的なプレゼンスに基づき、市場の成長を活用するのに有利な立場にあると言える。

主な競合企業は以下の通りである。

  • Adobe(ADBE
  • Salesforce(CRM
  • Airship
  • Iterable
  • Leanplum
  • MailChimp
  • MoEngage
  • Weave Communications

ブレイズの最近の財務動向

四半期別の総売上高(青色の列:Total Revenue)は目覚ましい成長を続けているが、四半期別の営業利益(赤色の線:Operating Income)は大幅なマイナスで推移している。

一方で、ブレイズのような企業は、余剰資金があることから、売上高(マーケットシェア)を伸ばすために営業損失を継続することができるのも現状である。

四半期別売上総利益(緑色の線:Gross Profit)は最近やや増加傾向にあり、四半期別販売費および一般管理費 (茶色の線:Selling, G&A % Of Revenue)は減少傾向が続いており、ポジティブなシグナルである。

一方で、希薄化後1株当たり利益(EPS)は前四半期比で改善したが、ブレークイーブンには程遠いというのが現状である。

(上記グラフのデータはすべて百万ドル単位・GAAPベース)

また、過去12カ月間で、同社の株価は20.3%上昇したのに対し、iシェアーズ・エクスパンデッド・テクノロジー-ソフトウェアETF (IGV)の上昇率は40.5%となっている。

ブレイズのバリュエーションとその他の指標

以下は、同社に関連するバリュエーションの表である。

指標
企業価値 / 売上高(予想)7.1
EV/EBITDA倍率(予想)
株価売上高倍率(直近過去12か月)9.2
売上高成長率(予想)25.1%
純利益率-27.4%
EBITDAマージン-29.0%
時価総額$4,440,000,000
企業価値$4,050,000,000
営業キャッシュフロー$6,850,000
実績EPS(直近過去12カ月)-$1.32
予想EPS-$0.09
一株当たりフリー・キャッシュフロー(直近過去12か月)-$0.07

また、40%ルールとは、ソフトウェア業界の経験則であり、売上高成長率と営業利益率の合計が40%以上であれば、その企業は、ソフトウェア企業として許容できる成長とEBITDAの軌道に乗っていることを示すものである。

下表のように、同社の直近の調整前40%ルールの計算値は、、2024年第4四半期決算時点で0.5%であったため、この点に関する同社のパフォーマンスは芳しくないと言える。

40%ルール・パフォーマンス(調整前2024年第4四半期
売上高成長率25.1%
営業利益率-24.7%
合計0.5%

ブレイズの見通し

直近の市場のアナリスト向け決算電話会議では、経営陣の準備発言として以下の点を強調している。

売上高

・第4四半期の売上高は前年同期比33%増の1億3,100万ドルと好調であった。

コストまたは経費の変更

・経営陣は、Non-GAAPベースの売上総利益率が前年同期比で90ベーシス・ポイント改善し、Non-GAAPベースの営業利益率が前年同期比で1,100ベーシス・ポイント以上大幅に改善するなど、営業効率が向上したことを強調した。

キャッシュフロー

・当四半期の営業キャッシュフローは380万ドル(前年同期は1万2,000ドル)。フリー・キャッシュフローは、前年同期のマイナス190万ドルに対し、約350万ドルのマイナスとなりました。

貸借対照表項目

・当四半期末の現金、現金同等物、使途制限現金、有価証券の合計は4億8,000万ドルでした。

海外事業

・第4四半期の米国外の売上は売上全体の44%を占め、同社の国際的な存在感と成長を示している。

同社の決算Q&Aでは、売上高が堅調に伸びたことが強調され、経営陣は既存顧客との契約拡大と新規事業獲得の両方がその要因であると述べた。

経営陣はまた、顧客エンゲージメントとイノベーションの推進におけるAI機能の戦略的重要性についても触れた。

そして、DoorDashとWendy’sとの新たな関係は、プラットフォームの信頼性と拡張性を示している。

経営陣は、エンタープライズ・ビジネスの拡大と、成長促進における高度なクロスチャネル顧客エンゲージメントの役割に注力しているとのことである。

売上高ガイダンス

・2025年度第1四半期の売上高は1億3,100万ドルから1億3,200万ドルの範囲で、中間値で前年同期比約29%の成長を見込んでいる。

・2025会計年度通期では、総売上高は5億7,000万ドルから5億7,500万ドルの範囲になると予想され、中間点での前年比成長率は約21.5%とのことである。

個人的には、売上高の伸びは許容範囲内だが、損益分岐点への道筋が見えず、高水準の営業損失が続いているのは残念であるという印象を受ける。

以上を踏まえ、当面の間、あるいは、経営陣が損益分岐点達成に向けて有意義な前進を遂げるまで、私は同社株式に対する見通しを「中立」に格下げすることとする。

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アナリスト紹介

ドノヴァン・ジョーンズ
拠点:米国
セクター:テクノロジー・IPO

ジョーンズ氏は、米国を拠点とする株式リサーチのスペシャリストであり、15年にわたり、米国のソフトウェア関連企業やIPO企業の投資を分析。主に、「高成長テクノロジー銘柄」、「消費者関連銘柄」、「資本財・サービス関連銘柄」、「メディア関連関連」、「ライフサイエンス銘柄」に焦点を当て、ファンダメンタル分析を用いて企業分析を実施。

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