バークシャー・ハサウェイ / BRK.B:バフェット銘柄の最新の株価分析と今後の見通し(Berkshire Hathaway)

Ticker: BRK.B / 3083文字 / 所要時間6分程度 / 強気

  • バークシャー・ハサウェイは記録的な量のキャッシュを保有している
  • ウォーレン・バフェットは、2024年に市場が調整局面となれば、間違いなく掘り出し物(割安で取引されている企業)を見つけるだろう
  • 以上より、バークシャー・ハサウェイは、ポートフォリオに追加するに値する魅力的な投資対象であると考える

サマリー

ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)は、過去10年間、市場を上回るパフォーマンスを上げてきた。

バフェット氏はバリュー投資のアプローチを擁護し、投資家に対し、彼らが理解している優良企業の株式を購入するよう促している。

これは確かに、彼の投資スタイルの大きな部分を占めているが、バークシャー・ハサウェイの成功の一部に過ぎない。

バフェットはまた、苦境に陥ったときに現金を投入し、素晴らしい投資先を見つけ、さらにオプションも駆使してリターンを高めることにも長けている。

昨年、バークシャーは現金と短期国債のポジションを増やしている。

株価が高いバリュエーションにある今、良いバリューを見つけるのは確かに難しいのが現状である。

今のところ、バフェットは「T-Bill and chill(米国財務省短期証券に投資してリラックスする)」モードだ。

私はこの戦略が長期的に実を結ぶと見ている。

なぜなら、足元、T-Bill(米国財務省短期証券)は好調に推移することが予想され、且つ、バークシャーは経済が収縮し始めたら、お得な投資先を発掘する可能性が高いからである。

バフェットが輝きを放つのは苦境の時であり、そのような時が間近に迫っているのである。

T-Bill and chill

最新の 10-Q提出書類の時点で、バークシャーは1570億ドル以上の現金とT-Billを保有している。

(出典:10-Q Filing)

これは同社にとって過去最高額であり、ポートフォリオ全体に占める割合も大きい。

同社の株式投資残高は3,180億ドルで、 鉄道、公益事業、エネルギーを加えると総資産は約1兆ドルに相当する。

もちろん、この戦略にはそれなりの理由があると見ている。

現在の環境では、T-Billは5%以上の利回りを「無リスク」で提供している。

さらに、市場は既に2024年からの利下げを予想しており、先日のパウエル議長の講演もそれを裏付けている。

実際、現在のFRBのドットプロットでは、少なくとも3回の利下げが行われる可能性がある。

(出典:FRBプレスリリース)

キャッシュ・クッション(現金余力)が大きいということは、バークシャーは、バリュエーションが下がったときに使える資金を沢山持っているということである。

Wolf Of Omaha / オマハの狼

多くの投資家は、ウォーレン・バフェットは、プレスリリースや証券取引委員会(SEC)に提出された書類を丹念にチェックすることでアルファを見出す、堅実なバリュー投資家であると想像するだろうが、これは真実の半分でしかない。

ウォーレン・バフェットはまた、市場がパニックに陥っているときに冷静さを保つ方法を心得ており、自分の名前と地位を活用して、可能な限り最高の取引を獲得することも得意としている。

例えば2008年のリーマン・ショック時、ウォーレン・バフェットはゼネラル・エレクトリック(GE)やゴールドマン・サックス(GS)と非常に有利な取引を行い、優先株やワラントを手に入れている。

2011年の債務上限危機の際にも、彼はバンク・オブ・アメリカ(BAC)と同様の取引を行っている。

バフェットはバンク・オブ・アメリカCEOのブライアン・モイニハンと接触したが、バンク・オブ・アメリカは、バフェットに対して、「余分な資本を必要としていない」と伝えた。

そして、バフェットは、彼の資金を受け入れることは、安定性、市場からの信頼、そしてキャッシュクッション(現金余力)を提供するという点を強調した。

(出典:Business Insider)

バークシャーは最終的に、50億ドルの優先株と引き換えに50億ドルを資本注入した。

この株式は5%のプレミアムで償還可能で、5%の配当も支払われた。

さらに、バフェットは新株予約権も交渉し、今後10年間、いつでも7億株を7.14ドルで購入できる権利を得ている。

そう、バフェットは、バンク・オブ・アメリカに対して、間違いなく価値を見出したが、ほとんどのバリュー投資家が手に入れられないような素晴らしい取引も獲得しているのが現状である。

このような取引は、ディストレスト債権投資と比較される可能性さえある。

バフェットはまた、プット、より具体的にはネイキッド・ショート・プットを使って利益を得たり、より安い価格で株を買ったりすることでも知られている。

1993年、バフェットはコカ・コーラ(KO)株を買いたいと考えていた。

しかし、彼は市場価格より10%ほど安い株価で購入したいと思っていた。

そこで彼は、その時の価格で投資せずに、自分が払いたい価格の行使価格のプット・オプションを売り、価格が下落するのを待つ間に750万ドル近い収益を手にしている。

(出典:Nasdaq.com

そして、2024年には何が期待できるのだろうか?

私は2024年に大暴落が起こると言っているわけではない。

直近の雇用統計を見ても、その可能性は低いように思われる。

今はソフトランディングがコンセンサスになっているようだが、過去にそれがどうなったかは周知の通りである。

(出典:ブルームバーグ)

とはいえ、バフェット氏の最新の投資家向けのレターを分析すれば、いくつか興味深いことが分かる。

バフェット氏が指摘したことの一つは、バークシャーは常に「大量の現金」を保有し、忍耐は最も重要な投資スキルの一つであるという点である。

バークシャーは今、辛抱強くチャンスが訪れるのを待っているのである。

しかし、その機会はどこで生まれるのだろうか?

バフェットは「アメリカの追い風」を強く信じている。

「私たちはアメリカの追い風を頼りにしている。そして、その追い風は時折弱まりはするものの、その推進力は常に戻ってくる。私は80年間、つまり我が国の存続期間の3分の1以上にわたって投資を行ってきた。アメリカ国民が、自己批判と自己不信に熱中しているにもかかわらず、私はアメリカに対して、一度も、長期的に売り目線で臨むといった賭けをするに値する時代(タイミング)を未だかつて見たことがない。そして、この手紙の読者が、将来、そのような経験をすることになるとはとても思えない。」

(出典:ウォーレン・バフェット

実際、2022年は、他の多くの国が苦戦する中、米国株と米国経済は非常に好調に推移した。

今後、バークシャーがどのような行動を取るかは分からないが、同社が相当なキャッシュ・クッションを持っていることは確かである。

先月、バークシャーは、Crownrockとの取引の後、オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)の株式を増やしている。

また、 バフェット氏は HP(HPQ)の保有株を 50%削減し、さらに多くのキャッシュを積み上げている。

結局のところ、私はバフェット氏の考えに賛成している。

インフレはコントロール下にあり、利下げも近い。

結論

バークシャーは、忍耐強く機会をうかがいながら、現金を慎重に使い、素晴らしい投資戦略を実行していると考える。

2024年に市場が調整局面を迎えれば、バークシャーは新たな素晴らしい投資対象を見つけるだろう。

そして、それは絶好の投資機会となるかもしれない。

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アナリスト紹介

James Foord ジェームズ・フォード
拠点:スペイン
セクター:ハイテク・コモディティ・仮想通貨

フォード氏は、エコノミストとして、過去10年に渡り、世界市場の株式市場を分析。自らを「実践的な投資家」と位置付け、資産を継続的に維持・拡大させることを目的とした、分散されたポートフォリオを構築することに重点を置いている。主に、「グローバル・マクロ」、「ハイテク銘柄」、「コモディティ銘柄」、「暗号通貨関連銘柄」に焦点を当て、ファンダメンタル分析、並びに、テクニカル分析を用いて企業分析を実施。

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