AT&T / T / 予想配当利回り 6.7%:ディフェンシブ・テレコム銘柄の最新の株価分析と今後の見通し – Part 2

Ticker: T / 2370文字 / 所要時間5分程度 / Buy

サマリー

  • デジタルの世界では、インターネットさえあれば何でも手に入るのが現状である
  • 本稿では、加入者数で米国最大の通信会社大手、AT&Tについて考察する
  • AT&Tの現在の6.7%の配当利回りは、同社の安定した事業を踏まえると、高配当銘柄を求める投資家にとって魅力的な投資機会となっている

はじめに

今日のデジタル社会では、あらゆることが指先で実現できる。

食料品や食品を注文して配達してもらったり、請求書を支払ったり、リモートで本業をこなしたりすることさえできる。

テクノロジーはこれら全ての可能性を実現することからも、「信頼できるインターネットへの接続」は、デジタル・エコシステムにおける酸素のようなものである。

この「信頼できるインターネットへの接続」という重要な要件は、通信会社が提供する固定回線やワイヤレス接続によって実現される。

そして、ここで注目したい点としては、これらのテレコム業界の企業は、投資家に対する定期的な配当金支払いを通じて、投資家と利益を共有することで広く知られている点である。

ここでは、加入者数で米国最大の通信会社であるAT&T(T)を見てみたい。

AT&T(年間予想配当利回り:6.7%)

AT&Tは、技術および電気通信サービスの世界的な大手プロバイダーであり、以下の中核事業部門を有する。

  1. モビリティ(Mobility):全国規模のワイヤレス・サービスと機器を提供
  2. ビジネス・ワイヤライン(Business Wireline):高度なイーサネットベースのファイバーサービス、IPボイス、マネージド・プロフェッショナル・サービスのほか、従来のボイス&データサービスや関連機器を法人顧客に提供
  3. コンシューマー・ワイヤライン(Consumer Wireline):マルチ・ギグ・サービスを提供するファイバー接続を含む、ブロードバンド・サービスを提供

米国では、AT&Tのネットワークは全ての主要都市圏をカバーし、3億3,700万人以上が4G/5Gサービスを利用している。

メキシコでも大きな存在感を示しており、1億人以上の顧客にサービスを提供している。

2022年度末時点で、AT&Tは2億1,700万人以上のモビリティ顧客、8,500万人のポストペイド、1,900万人のプリペイド、600万人の再販業者、1億700万台の接続デバイスにサービスを提供している。

バリュエーション

通信事業は資本集約的なビジネスであり、大手企業は近年、5Gや光ファイバーの展開をサポートするために多額の投資を行っている。

しかし、こうした初期投資は、結果的に、事実上競争のないテレコム業界で、今後何年にも渡る収益化の道を開くものである。

そのため、AT&Tは1,380億ドルの純負債を抱えており、この巨額な数字が、金利上昇下で同社への評価を下げる要因となっている。

さらに市場は、同社が配当の停止や減額をせずに債務を維持するのは困難だと考えている。

しかし、私は、これは事実に反した見方だと見ている。

なぜなら、第3四半期において、同社は純負債を30億ドル以上削減し、2025年上半期までに2.5倍の純有利子負債対調整後EBITDA目標を達成する方針を維持しているからである。

当四半期に発生したフリーキャッシュフローは52億ドル(前年同期比13億ドル増)であり、同社は2023年のフリーキャッシュフローのガイダンスの目標を165億ドルに引き上げている。

このフリーキャッシュフローの規模は、単に分配金をカバーするだけでなく、債務償還や資本支出に充てることもできる程の規模感である。

さらに、AT&Tの長期債務の95%以上は平均利率4.2%の固定で、加重平均償還期間は16年である。

このため、同社はこの金利サイクルを容易に乗り切り、金利上昇の影響を最小限に抑えながら債務を履行することができると見ている。

市場における非合理的な仮定や仮説のおかげで、AT&Tは、現在、フォワードPERの6.8倍、更に、EV(企業価値)/調整後EBITDA倍率が6.6倍で取引されている。

そして、これらのバリュエーションにより、AT&Tは、アップサイド・ポテンシャルを持つ、非常に割安な企業となっている。

関連記事:高配当銘柄

【米国株投資】コストコ(年間予想配当利回り 2.4%)/ COST:継続して成長する配当が魅力的な大手小売企業 – Part 1

【米国株投資】ウィリアムズ・カンパニーズ / WMB(年間予想配当利回り:5%):魅力的な高配当の中流企業を探る – Part 2

【米国株投資】ONEOK(ワンオーク)/ OKE(年間予想配当利回り:5.6%):魅力的な高配当の中流企業を探る – Part 1

【米国株投資】ザイレム / XYL:高配当エッセンシャル・サービス銘柄に注目、「成長するキャッシュ・フローの蛇口を開けろ」- Part 1

【米国株投資】メドトロニック / MDT(年間予想配当利回り:3.9%):MedTech(メドテック)業界における高配当銘柄 – Part 2

配当

AT&Tは、数十年にわたり信頼できる配当の担い手である。

長年にわたる配当金の支払いを見てみると、投資家は2022年に46%の減配があることにすぐに気づくだろう。

これは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)を設立するために、同社が事業の大部分であるメディア部門を分離したためである。

AT&Tの株主は新会社の株式を受け取り、新しい配当は、取引後も存続する新生AT&Tのフリーキャッシュフローを反映したものである。

AT&Tの現在の配当金は1株当たり0.278ドルで、年換算利回りは6.7%となる。

また、この配当水準は、フリーキャッシュフローベースの配当性向で59%、調整後EPSベースの配当性向で50%であることからも、同社の保守的な運営によって十分に維持されることができると見ている。

こうした配当性向の水準と、2024年以降の資本経費削減という同社の予測を踏まえれば、投資家は間もなく同社株式から緩やかな配当の増額が期待できると考える。

結論

AT&T株は著しく割安に放置されている。

5Gと光ファイバーへの投資がほぼ終了した現在、同社のフリーキャッシュフローの創出は強化され続けている。

AT&T、ベライゾン、Tモバイルにより北米の通信業界が寡占されていることからも、通信業界のリーダーである同社は今後数年間、過去の投資のリターンを得ることになる。

私は、同社がキャッシュフロー・マシーンであることを市場が認識するまで、じっくりと腰を据えて、同社株式から6.7%の配当利回りを受け取り続けたいと思っている。

関連記事:高配当銘柄

【米国株投資】アボット・ラボラトリーズ / ABT(年間予想配当利回り:2.1%):MedTech(メドテック)業界における高配当銘柄 – Part 1

【米国株投資】アメリカン・ファイナンシャル・グループ / AFG(年間予想配当利回り:3.9%):保険株への投資を通じて、パッシブ・インカムを実現 – Part 2

【米国株投資】マニュライフ・ファイナンシャル / MFC(年間予想配当利回り:5.8%):保険株への投資を通じて、パッシブ・インカムを実現 – Part 1

【米国株投資】バンク・オブ・ノバスコシア / BNS(年間予想配当利回り:7.5%):退職後の生活を支える2つの高配当銘柄 – Part 2

【米国株投資】ハンティントン・バンクシェアーズ / HBAN(年間予想利回り:6.5%):退職後の生活を支える2つの高配当銘柄 – Part 1

免責事項:本レポート上で紹介する情報は、あくまでも私個人の意見であり、投資教育を目的としております。その為、本レポートは、特定の投資家に対して、どのような投資が適切であるかについて、推奨、または、助言するものではございません。また、過去のパフォーマンスは、将来の結果を保証するものではございません。Venkat Raghavan、または、Finfluencer Inc.は、政府より認可を受けた証券ディーラー、ブローカー、投資アドバイザー、投資銀行ではございません。その為、当社の分析は、規制当局からの免許、または、認可を受けていない著者により執筆されている可能性がある点にご留意ください。以上より、実際に投資をする際には、ライセンスを保有する金融の専門家にご相談されることを強くお勧めします。

アナリストによる開示:私はTに関するロング・ポジションを現在保有しております。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

インベストリンゴによる開示:インベストリンゴは、当社コンテンツ・クリエイターが、自身の専門・得意領域に関する情報・知識を、当社のユーザーと共有する事を目的とする米国株特化型のコミュニティです。本サイトのコンテンツは、投資教育、並びに、投資情報の提供のみを目的としており、特定の投資家に対して、投資、税務、法律等のアドバイスを提供することを意図しておりません。加えて、Investlingo Japan合同会社は、日本においてライセンスを保有する証券会社、投資顧問業者、または、投資銀行ではございません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも、各コンテンツ・クリエーター個人の見解であり、Investlingo Japan合同会社の立場を反映しているものではございません。当社のコンテンツ・クリエーターは、個人投資家を含む独立したブロガー・アナリストから構成されており、公的機関等からの金融関連のライセンスを取得していない場合もございます。その為、本サイト上のいかなる情報も、インベストリンゴ、または、弊社プラットフォーム上の第三者による、金融商品の推奨、或いは、投資助言として解釈されるべきではありません。インベストリンゴは、弊社プラットフォーム上の情報に基づいて行われるいかなる投資決定に対して、一切責任を負わず、各ユーザーが単独で責任を負う点にご留意ください。

アナリスト紹介

Venkat Raghavan ヴェンカット・ラガーヴァン
拠点:カナダ
セクター:北米高配当銘柄

テクノロジー・アドバイザーのラガーヴァン氏は、高配当銘柄を中心に投資アイデアを執筆。執筆活動以前は、米国とカナダにて、経営コンサルタントとして、主にフォーチュン500社に含まれる大手テクノロジー企業を中心に、コンサルティング・サービスを提供。彼は、強固なファンダメンタルズと競争優位性を持ち、更に、巨大なキャッシュフローを生み出す可能性のある魅力的なビジネスモデルを特定・評価するプロフェッショナル。その為、インカム・ゲイン(配当収入)と長期キャピタルゲインを同時に狙える割安な高配当成長銘柄を投資対象としている。

にほんブログ村:米国株ランキング

人気ブログランキング:米国株ランキング

上部へスクロール