アリスタ・ネットワークス / ANET:クラウド関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し(Arista Networks)

Ticker: ANET / 3573文字 / 所要時間7分程度

サマリー

  • アリスタ・ネットワークスの株価は第4四半期決算後に下落したが、投資家が好調な将来の見通しを重視していることから、気にする必要はないと考えている。
  • 同社は先進的なネットワーキング・ソリューションに特化しており、目覚ましい業績が牽引して、短期的には堅調な見通しを示している。
  • 課題と収益性の縮小にもかかわらず、同社は魅力的なバリュエーションと業績予想の上方修正の可能性を持つ割安な投資対象であると見ている。

アリスタ・ネットワークスへの投資テーマ

アリスタ・ネットワークス(ANET)の株価は、第4四半期の決算を受け売られる展開となった。

ただし、私はこの下落を左程気にする必要がないと考えている。

なぜなら、報告されたばかりの四半期など誰も気にしてはおらず、投資家が重視するのは将来の見通しであり、アリスタ・ネットワークスの見通しは強い。

とはいえ、同社の見通しに傷がないわけではない。

株価の重荷となる重要な要素は、第1四半期が今年で最も低調で、2024年の残りの期間では第1四半期から改善すると予想されているにもかかわらず、その収益性プロファイルが次の四半期の縮小を指し示していることである。

しかし、この収益性の縮小を含めても、私は同社は割安であると考えている。

まず、同社は時価総額の6%強を現金で保有し、バランスシートには50億ドルの現金があり、まったくの無借金経営となっている。

さらに、現在の同社の株価は、将来のNon-GAAPベースの営業利益の約27倍で取引されている。

以上を踏まえ、この倍率は、今年16%のトップライン成長を達成しそうな企業にとっては割安であるように映る。

アリスタ・ネットワークスの当面の見通し

アリスタ・ネットワークスは、高度なネットワーキング・ソリューションの提供を専門としているテクノロジー企業である。

そして、データセンター、クラウド・コンピューティング、人工知能向けの製品を設計・販売している。

同社が提供する製品には、データ・トラフィックを効率的に管理・最適化する高速スイッチやソフトウェアがあり、大企業やクラウド・サービス・プロバイダー、AI関連のワークロードに携わる企業のニーズに対応している。

同社は、2023年の売上高が前年比33.8%増と、当初のガイダンスを上回る伸びを示すなど、目覚ましい業績により、短期的には堅調な見通しを示している。

同社はクラウド関連の幅広い規模の企業、並びに、プロバイダーに注力しており、その結果、売上高のソースが多様化している。

AIネットワーキングにおける継続的な技術革新、特にパケット・スプレーイング、柔軟な順序付け、ネットワーク輻輳緩和などの先駆的なソリューションによるAIワークロードの需要への対応により、同社は、進化する技術環境のニーズに適応するリーダーとしての地位を確立している。

同社は、コア製品、ネットワーク関連サービス、サブスクリプション・ベースのサービスにおける強固な基盤を背景に、2025年までにAIネットワーキングの売上高が7億5,000万ドルに達すると予想されるなど、重要なマイルストーンの達成を目指しており、持続的な成長と市場でのリーダーシップへのコミットメントを示している。

しかし、同社はまた、市場全体の状況に左右される課題を抱えている。特に、ここ数年加速度的に成長してきた世の中のクラウドへの支出が足元減速していることが主な課題となっている。

さらに、同社はAIネットワーキング・ソリューションで大きな進歩を遂げたが、試験運用の年からパイロット運用の年への移行は、普及への慎重なアプローチを示しており、本格的な量産は2025年になってからと予想される。

このような背景を踏まえ、同社の財務について説明したい。

アリスタ・ネットワークスの売上高成長率

アリスタ・ネットワークスには、良いニュースと悪いニュースがある。

悪いニュースは、2023年第4四半期の売上高があまり好調に推移しなかったことである。

この点は、株価が売られる一因となった。

そして、次の表を見て欲しい。

こちらの表からも分かる通り、時間の経過とともに、方向的には、収益のビートの大きさは小さくなっている。

明らかに明るいニュースではないだろう。

一方で良いニュースは、市場は報告されたばかりの四半期ではなく、今後のガイダンスにより目を向ける可能性が高いということである。

そしてガイダンスは力強いものとなっている。

より具体的に言えば、2024年第1四半期は常に比較対象として最も厳しい四半期となる。

第1四半期が年平均成長率(CAGR)16%というトップエンドを示したということは、アリスタネットワークスが2024年に年平均成長率(CAGR)20%で収益を伸ばす可能性が最低でもあるということだと見ている。

なお、ご参考までに、私の予想は市場が予想(10~13%程度)しているよりもかなり高い水準にある。

恐らく、私は強気すぎるのだろう。

2024年の予想成長率は16%に過ぎず、この数字には私は断固として疑問を抱いている。

とはいえ、私は同社への投資ストーリーにおける文脈が重要であると考えている。

新しいCFOの同社ガイダンスにおける発言を下記のとおりである。

「But I think to change anything [about the outlook] in Q1 at this time, we’re just going to go a quarter at a time, especially with me coming in and we’ll see how the year progresses.」

「日本語訳:しかし、現時点で第1四半期に何か(見通しを)変えるには、1四半期ずつ、特に私が入ってから、今後1年がどのように進んでいくかを見ていくしかないと思います。」

とはいえ、仮にそうだとしても、同社が年平均成長率16%程度しか成長するのであれば、今後数日のうちにアナリストは株価の財務予想を上方修正することになるだろう。

そしてそれこそが、私が好んで所有する最高の投資タイプなのである。

セルサイドのアナリストが私の所有する銘柄の株価をサポートし、目標株価を引き上げるような投資である。

アリスタ・ネットワークスのバリュエーション:Non-GAAP営業利益の27倍

株価が売られた主な理由は、2024年第1四半期までの見通しが、第4四半期から2024年第1四半期にかけてNon-GAAPベースの売上総利益率が300ベーシスポイント弱圧縮されると指摘したことを投資家が好まなかったことだと見ている。

具体的には、2023年第4四半期のNon-GAAPベースの粗利益率は64.9%であったが、2024年第1四半期の見通しは約62%となっている。

これはまだ信じられないほど高く、前年から約250ベーシス・ポイント拡大しているが、投資家は収益性が圧縮されることを良くは思わないだろう。

実際に、同社の経営陣は、事前に今回の決算に向けて収益性の圧縮を明らかにしていた。

それでも投資家たちは動揺したのである。

この利益率の圧縮は損益計算書のボトムラインにも浸透し、2023年第4四半期のNon-GAAPベースの粗利益率は48.3%であったのに対し、2024年第1四半期の見通しは42%となっており、第1四半期には600ベーシスポイント以上の大幅な圧縮となっている。

投資家にとって、ある四半期から次の四半期へのこの圧縮ペースは厄介である。

これは、同社が一定量の価格決定力を失っていることを示している。

高い価格決定力は高いバリュエーションに反映され、低い価格決定力は低いバリュエーションに反映される。

とはいえ、前々四半期(2023年第3四半期)当時、第4四半期のガイダンスではNon-GAAPベースの売上総利益率が42%であったのに対し、決算が発表された時点で同社のNon-GAAPベースの売上総利益率は48.3%に達していることにはご留意いただきたい。

従って、この経営陣がガイダンスにおいて常に超保守的であることは明らかであり、それゆえ私は過度に警戒することはないだろうと考えているのである。

私の計算によると、同社は年率換算で30億ドルのNon-GAAP営業利益を達成する見込みである。

これらを踏まえると、アリスタ・ネットワークスのような顧客基盤を持ち、次年度の年平均成長率約16%でトップラインを成長させる企業にとっては、現在のバリュエーションは割安に見える。

アリスタ・ネットワークスに対する結論

第4四半期決算後に株価が下落したアリスタ・ネットワークスだが、短期的な市場変動が同社の将来性を揺るがすものではないことを強調したい。

そして、個人的には、同社の見通しについては楽観的な見方を続けている。

次四半期の収益性が低下する可能性があるとの懸念が株価に重くのしかかっているが、大局的に見れば、割安なチャンスがある。

同社の無借金経営、時価総額の6%超の現金保有を踏まえると、Non-GAAPベースの営業利益の約27倍という株価は、魅力的なバリュエーションに見える。

2024年に少なくとも年平均成長率16%のトップライン成長が見込まれることから、財務予想が上方修正される可能性がさらに高まり、最近の下落局面が長期的なリターンを狙う投資家にとっては魅力的なエントリー・ポイントとなるのではないかと見ている。

以上より、同社株式に対する私の目標株価は、2025年夏までに「355ドル」と設定している。

【先行アクセス(+特典付き)とニュースレターへの登録】

インベストリンゴは、🇯🇵日本初、🇺🇸米国株式投資に特化した金融のプロフェッショナルが集まる📱メディアプラットフォームです。

🚀ローンチに先立ち、✉️ニュースレター経由で、彼らの最新のコンテンツを日々紹介しております。

インベストリンゴ公式ホームページはこちら

米国株投資家の皆様は、是非、上記リンクより、メールアドレスをご登録頂き、完全版の弊社レポートを、日々、無料でご覧頂ければと思います。

ご登録頂けますと、過去のレポートも全て無料でご覧頂けます。

また、X(旧Twitter)上でも、日々、米国株式市場に関する情報を配信しておりますので、是非、フォロー頂ければと思います。

X(旧Twitter):インベストリンゴ公式アカウントはこちら
関連記事
【米国株式投資】KLA / KLAC:半導体・AI関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し Part 1

【米国株式投資】アトラシアン / TEAM:テクノロジー関連成長株の最新の24年2Q決算分析と今後の株価見通し(Atlassian)

【米国株式投資】インテル / INTC:半導体・AI関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し Part 3(Intel)

【米国株式投資】インテル / INTC:半導体・AI関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し Part 2(Intel)

【米国株式投資】インテル / INTC:半導体・AI関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し Part 1(Intel)

【米国株式投資】ペイパル / PYPL:フィンテック関連成長株の最新の23年4Q決算分析と今後の株価見通し(Paypal)

【最新】米国株の今後の見通し:S&P500は遂に5000ポイントを突破も、Fear & Greed Indexは1年前の7%下落時直前と同様の水準にあることに警戒

【米国株式投資】アマゾン / AMZN:メタとは対照的に無配当を継続するGAFAMの一角の最新の決算分析と今後の株価見通し

【米国株式投資】オクタ / OKTA:注目のテクノロジー関連成長株の最新の株価分析と今後の見通し(2024年2月9日)

【米国株式投資】ユナイテッド・マイクロエレクトロニックス / UMC:インテルとの提携で注目の半導体・AI関連成長株の最新の決算分析と今後の株価見通し – Part 2(2024年2月8日 / United Microelectronics)

【米国株式投資】ユナイテッド・マイクロエレクトロニックス / UMC:インテルとの提携で注目の半導体・AI関連成長株の最新の決算分析と今後の株価見通し – Part 1(2024年2月8日 / United Microelectronics)

【最新】米国株の今後の見通し:S&P500の下落の可能性をテクニカル指標で探る

【米国株式投資】アドバンスト・マイクロ・デバイセズ / AMD:人気の半導体・AI関連成長株の最新の決算・株価分析と今後の見通し – Part 2(2024年2月8日 / Advanced Micro Devices)

【米国株式投資】アドバンスト・マイクロ・デバイセズ / AMD:人気の半導体・AI関連成長株の最新の決算・株価分析と今後の見通し – Part 1(2024年2月8日 / Advanced Micro Devices)

【米国株式投資】アルファベット・グーグル / GOOG・GOOGL:メタとは対照的に無配当を継続するGAFAMの一角の最新の決算分析と今後の株価見通し(2024年2月5日 / Alphabet)

【米国株式投資】ドラフトキングス / DKNG:人気の米国ゲーム関連成長株の最新の株価分析と今後の見通し(2024年2月7日 / DraftKings)

【米国株式投資】パランティア / PLTR:人気のAI関連成長株の最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年2月6日 / Palantir)

【米国株式投資】ページャーデューティー / PD:注目のインシデント対応関連成長株の最新の株価分析と今後の見通し(2024年2月5日 / 米国株式投資 / PagerDuty)

【最新】米国株の今後の見通し:FRBの利下げ時期にかかわらず、堅調な経済指標は引き続き株価をサポート

【米国株式投資】メタ・フェイスブック / META:注目のメタバース・AI関連成長株の最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年2月2日 / 米国株式投資 / Meta / Facebook)

【米国株式投資】マッチ・グループ / MTCH:ティンダー等のブランドを所有する注目のマッチングアプリ関連成長株の最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年2月1日 / Match Group)

【米国株式投資】ラム・リサーチ / LRCX:注目の半導体関連銘柄の最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年2月1日 / Lam Research )

【米国株式投資】アルファベット・グーグル / GOOG・GOOGL:最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年1月31日 / Alphabet )

【米国株式投資】マッチ・グループ / MTCH(Match Group):ティンダー等のブランドを所有する注目のマッチングアプリ関連成長株の最新の株価分析と今後の見通し(2023年1月30日)

免責事項:本レポート上で紹介する情報は、投資教育を目的としております。その為、本情報は、特定の証券の売買や投資戦略を勧誘するものではありません。また、私は税務、法律、会計に関する助言は一切いたしません。投資には常にリスクが伴い、リターン、あるいは、元本が保証されているものではない点にご留意ください。私の知る限りでは、私は自らの分析に、虚偽、または、重大な誤解を招く記述や事実の省略が含まれていないと認識しております。特定の投資助言における過去のパフォーマンスは、特定の状況、または、市場の出来事、投資の性質、および、タイミング、ならびに、投資に関連する制約についての知識がない限り、依拠すべきではありません。私は、チャート、グラフ、計算式、推奨銘柄について述べたり、表示したりすることがありますが、これらはそれ自体でどの証券を売買すべきか、あるいはいつ売買すべきかを決定するために使用されることを意図しておりません。このようなチャートやグラフは、限られた情報しか提供していないため、それだけで投資判断を下すべきではありません。実際に投資をする際には、ライセンスを保有する金融の専門家にご相談されることを強くお勧めします。ここに記載された意見は、あくまでも私個人のものであり、予告なしに変更されることがあります。また、参照した意見やデータは本レポートの発表日時点のものであり、市場や経済状況の変化により変更される可能性があります。

アナリストによる開示:私はANETに関するロング・ポジションを現在保有しております。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

インベストリンゴによる開示:インベストリンゴは、当社コンテンツ・クリエイターが、自身の専門・得意領域に関する情報・知識を、当社のユーザーと共有する事を目的とする米国株特化型のコミュニティです。本サイトのコンテンツは、投資教育、並びに、投資情報の提供のみを目的としており、特定の投資家に対して、投資、税務、法律等のアドバイスを提供することを意図しておりません。加えて、Investlingo Japan合同会社は、日本においてライセンスを保有する証券会社、投資顧問業者、または、投資銀行ではございません。ここで述べられている意見や見解は、あくまでも、各コンテンツ・クリエーター個人の見解であり、Investlingo Japan合同会社の立場を反映しているものではございません。当社のコンテンツ・クリエーターは、個人投資家を含む独立したブロガー・アナリストから構成されており、公的機関等からの金融関連のライセンスを取得していない場合もございます。その為、本サイト上のいかなる情報も、インベストリンゴ、または、弊社プラットフォーム上の第三者による、金融商品の推奨、或いは、投資助言として解釈されるべきではありません。インベストリンゴは、弊社プラットフォーム上の情報に基づいて行われるいかなる投資決定に対して、一切責任を負わず、各ユーザーが単独で責任を負う点にご留意ください。

アナリスト紹介

マイケル・ウィギンズ・デ・オリベイラ
拠点:イギリス
セクター:エネルギー、コモディティ、テクノロジー

オリベイラ氏は、エネルギー・セクター、並びに、テクノロジー・セクターの専門家であり、「脱炭素化」、「AIによるデジタル化」、「脱グローバル化」の波が交差する「エネルギー・セクターの大きな転換期」を正確に捉え、より大きな投資リターンを実現することにフォーカスしている。オリベイラ氏は、9年以上に渡る数々の企業分析を通じて、上記の分野における卓越した専門的経験を持つ。

にほんブログ村:米国株ランキング

人気ブログランキング:米国株ランキング

上部へスクロール