アプライド・マテリアルズ / AMAT:半導体・AI関連成長株の最新の24 年1Q決算分析と今後の株価見通し – Part 2(Applied Materials)

Ticker: AMAT / 2688文字 / 所要時間6分程度 / 弱気

サマリー

  • アプライド・マテリアルズ(AMAT)の株価上昇は、同社がGAA、BSPD、HBMといったAIデータセンターの重要な実現要素と見なされる技術の変遷に重点を置いており、これらの分野で大幅な成長が見込まれることに起因している可能性がある。
  • 市場ダイナミクスはポジティブであるにもかかわらず、同社の中国への依存度の高さが懸念される。現在、同社の売上高の45%を占める中国だが、年間を通じて30%前後の過去の水準まで落ち込むと予想されており、潜在的な市場変動の中で同社の業績に対する不確実性が高まっている。
  • 同社の株価は足元急騰しているが、中国からの収益減少の可能性、中国以外の需要の低迷、最先端ロジックの顧客からの遅延の可能性から、WFEセグメント全体ではさらなる上昇の可能性よりも下落リスクの方が高いことを示唆しているため、注意が必要である。

足元のアプライド・マテリアルズの株価上昇に関して

アプライド・マテリアルズ(AMAT)の株価上昇の潜在的な要因のひとつは、決算発表前後の市場全体が好調であったことが幸いした以外に、決算説明会でGAA、BSPD、HBMといったテクノロジーの変遷に関連する同社の見通しを説明するために多くの時間が割かれたことにあるかもしれない。

例えば、ディッカーソンCEOの発言の大部分は、これらの話題で占められていた。

以下はディッカーソンCEOの発言の要点である。

「高性能DRAMダイを積層し、高度なパッケージングでロジック・ダイに接続した高帯域幅メモリ(HBM)は、AIデータセンターを実現する重要な要素です。」

「高帯域幅メモリに使用されるダイは、標準的なDRAMの2倍以上の大きさであるため、同じ量のチップを生産するには2倍以上の容量が必要となります。」

「その上、ダイの積層に必要なパッケージング工程は、利用可能な総市場をさらに増加させます。高帯域幅メモリは、2023年時点ではDRAM生産量の約5%に過ぎませんが、今後数年間は年平均成長率50%で成長すると予想されています。」

「アプライド・マテリアルズは、次世代技術に不可欠なプロセスおよびパッケージング工程に注力することで、DRAM市場におけるシェアを大幅に拡大しました。2023年、アプライド・マテリアルズのDRAMシェアは10年前より10ポイント以上上昇すると推定されます。」

「DRAMの売上高は、最も近いプロセス装置メーカー2社の合計を上回ります。また、DRAM周辺回路アプリケーションに実装され、IO速度の大幅な向上を可能にするロジック・テクノロジーにおけるリーダーシップのおかげで、当社は将来の成長に向けて最適な立場にあります。」

このほかにもまだまだ続くのだが、ここでは詳細は割愛したい。

一方で、ブライス・ヒル最高財務責任者(CFO)は、準備発言の中で、下記のようにレトリックを倍増させていた。

「計画期間を見渡せば、半導体はGDPを大幅に上回る成長を遂げると予想しています。第二に、技術的な複雑さが増すにつれて、装置市場は半導体と同等かそれ以上のスピードで成長すると予想しています。」

「第三に、アプライド・マテリアルズの装置事業は市場を上回るペースで成長すると予想します。第四に、サービス事業が装置事業と同等かそれ以上のスピードで成長すると見ています。そして、アプライド・マテリアルズの装置事業が市場を上回るペースで成長するという、3番目の内容について説明します。その理由は、アプライド・マテリアルズのテクノロジーが、AI、IoT、再生可能エネルギーの成長を推進するために必要な半導体の重要な進歩を可能にするからです。」

「今後数年間にわたる半導体プロセスの変遷を見据えた場合、アプライド・マテリアルズは極めて有利な立場にあります。データセンターAIでは、当社は、標準DRAMと広帯域メモリの両方の先端ロジックとコンピュート・メモリのプロセス装置でNo.1となっております。また、ゲート・オールアラウンド・トランジスタ、バックサイド・パワー・デリバリー、アドバンスド・パッケージングでも50%以上のシェアを獲得する目処が立っています。」

繰り返しになるが、もっとたくさんのコメントがあるがここでは割愛している。

つまり、ディッカーソン氏とヒル氏は、アプライド・マテリアルズがジェネレーティブAIの台頭によってもたらされるあらゆる恩恵の主要な受益者になることを、力強く説得してくれたのである。

中国ミックス

アプライド・マテリアルズ(AMAT)は、同業他社のように決算発表資料で地域別の売上高をグラフで示していないが、決算説明会ではその詳細を共有している。

現在、同社の売上高の約45%は中国が占めている。

歴史的には、中国は売上高の30%程度であった。

質疑応答では、2024年の中国事業の見通しについて質問があった。

それに対するブライス・ヒルCFOの答えは下記のとおりである。

「まあ、長期的に見れば……何年間も見れば、平均して約30%だと思います。 ですから、今が45%だとすると、1年を通してそのレベルくらいまで下がるでしょう。」

つまり、アプライド・マテリアルズは今年中に中国の売上高が通常のパターンに戻って減少すると予想しているのである。

これは予想外のことではなく、アプライド・マテリアルズの同業他社もおそらく同じことを経験するだろう。

特に2023年の中国のWFE支出は桁外れだった。

この水準が続くということは、非常に驚くべきことである。

以前にも指摘したように、この中国の需要の強さは、他の市場の弱さをほぼ相殺していた。

つまり、もし中国経由の売上がなければ、2023年はWFE部門全体にとって非常に悪い結果になっていただろう。

これが、今後数四半期にわたる私の懸念である。

そして、中国以外の顧客からの需要に力強い回復が見られないのは明らかだ。

中国以外の需要低迷が続き、中国顧客からの急激な落ち込み、最先端ロジック顧客からのさらなる遅れが重なれば、非常に厄介なシナリオと成り得る。

その可能性を予測するのは難しいが、すべての材料は揃っているように見える。

最悪の事態にならなかったとしても、WFEセグメント全体にとって素晴らしい年になる可能性は極めて低いと考えている。

言ってみれば、上昇の可能性よりも下落リスクの方が大きいと見ている。

一方、アプライド・マテリアルズの株価は過去6週間で30%、過去4カ月で54%も上昇している。

この局面では、一旦利益を確定して、様子見でいる方が賢い行動のように私には思える。

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アナリスト紹介

ウィリアム・キーティング
拠点:香港
セクター:半導体・テクノロジー

キーティング氏は、半導体とテクノロジーのリサーチ&コンサルティング会社であるIngenuity (Hong Kong) Ltdの創立者兼CEO。半導体業界において重要性の高いニッチなテーマを専門にする。主に、インテル、AMD、サムスン、アップル、マイクロン等の企業や、ASML、AMAT、キヤノン、ニコンなどの主要機器サプライヤーの製品、ロードマップ、技術に焦点を当てたリサーチ、並びに、コンサルティング・サービスを提供。

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