アドバンスト・マイクロ・デバイセズ / AMD:人気の半導体・AI関連成長株の最新の決算分析と今後の株価見通し – Part 2(2024年2月8日 / Advanced Micro Devices)

Ticker: AMD / 2571文字 / 所要時間6分程度 / 強気

サマリー

  • AMDの今四半期ガイダンスでは、前四半期比13%減の54億ドル、前四半期比では、データセンター部門の売上高は横ばいだが、エンベデッド部門とゲーミング部門のセグメントが減少すると予測している。
  • 2024年の見通しでは、データセンター向けGPUの収益が大幅に成長し、35億ドルに増加する見込みで、さらに拡大する可能性があり、セグメント変動の中でAMDがデータセンターの成功に注力していることを強調している。
  • 当初の市場懸念にもかかわらず、AMDの全体的な業績は好調であり、特にデータセンター部門が堅調な軌道を描いていることから、同社の将来に明るい見通しが示されたと考えられる。

AMDの2024年度第1四半期の見通し

当四半期のAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)のガイダンスは、前四半期比13%減、前年同期比横ばいの 54 億ドル(中間値)となっている。

AMDは下記の通りコメントをしている。

「前四半期比では、データセンター部門の売上は横ばいとなる見込みであり、季節的なサーバー売上の減少はデータセンター向けGPUの好調な立ち上がりで相殺されると見ている。そして、エンベデッド部門の売上は、顧客の在庫調整が続くことから減少すると予想されており、クライアント部門の売上は季節的に減少する見込みとなっている。さらに、ゲーミング部門では、非常に好調なゲーミング・サイクルの5年目を迎え、現在の顧客の在庫水準を考慮すると、当部門での2桁の大幅な減収がを予想している。」

一方で、AMDは2024年度通年の見通しは示していないものの、今後の見通しについて若干の示唆を与えている。

「データセンターおよびクライアント部門の売上は、当社の製品ポートフォリオの強さとシェア拡大の機会を考慮し、前年比2桁の大幅増収を見込んでいる。エンベデッド部門の売上は減少し、ゲーム部門の売上は2桁の大幅な減少を見込んでいる。」

この2024年度の見通しについては、この後の重要な要点に目を通した後、またコメントすることにしよう。

AMDの決算における要点

今回の決算説明会で最も期待されたのは、AMDが2024年のデータセンター向けGPUの売上予測を引き上げるかどうかであった。

そして、リサ・スーは期待を裏切らず、予測を20億ドルから35億ドルに引き上げた。

「今後については、我々の事前ガイダンスでは、データセンター向けGPUの売上高は第4四半期から第1四半期にかけて横ばいになり、2024年には20億ドルを超えると予想していた。 強力な顧客プールと契約拡大に基づき、データセンター向けGPUの売上高は第1四半期に前四半期比で増加し、2024年には35億ドルを超えると予想している。 また、サプライチェーンパートナーとの協業も大きく進展し、需要増に対応するための追加生産能力を確保している。」

一部では、さらに大きな増額、60億ドルもの増額を予想していた者もいるようだが、私の考えでは、これは決して起こり得ないと見ている。

というのも、AMDのCEOのリサ・スー氏の過去10年間の実績を見ればわかるだろう。

この35億ドルの増加は、それだけでAMDの2024年のデータセンター売上高を100億ドルにし、~54%の増加をもたらす。

さらに、AMDは「従来型サーバー」の分野でもインテル(INTC)からさらに市場シェアを獲得することになるだろう。

過去4年間のAMDの実績に基づき、もし同じペースで推移すれば、データセンターの売上はさらに15億ドル、合計115億ドル、77%の増加となり、決して悪くない水準である。

AMDの他のセグメントに関する一般的なガイダンスと、そのガイダンスに基づく独自の予測を組み合わせると、2024年の収益予測は以下の表のようになる。

一見したところ、売上高は前年同期比11.4%増と期待外れに見える。

しかし、AMDにとって問題なのは、今のところ4つの事業部門がすべて40億~60億ドルの範囲でほぼ同規模であることだ。

そのうち2つの部門は大幅に減少し、3つめの部門はわずかな増加にとどまるため、データセンター部門が70%以上の成長を遂げたとしても、AMD全体の売上高は11%増にとどまる可能性が高い。

しかし、データセンター向けGPUにはアップサイドがある。

Q&Aセッションはほぼこのトピックに終始したが、CFOのジャン・フーから下記の通り、興味深い一節を聞くことができた。

「MI300についての質問にお答えしたい。2024年第4四半期終了時点で、15億ドルを達成することは可能かどうかについてである。私たちは可能であると思っており、それは、先ほどリサが言ったように、各四半期で順次増加し、下期にはより多くのバックエンド・ロードが見込まれ、さらに、私たちは35億ドル以上の供給を確保しているからである。もちろん、顧客との関係も引き続き進展していくことが予想される。そのため、計算上は可能であるが、今現在は、35億ドルプラスアルファの実行に集中している。」

これは、彼女が話している15億ドルのランレートが四半期ベースであることに気づくまでは、少し分かりにくい内容である。

しかし、本当に興味深いのは、「35億ドル以上の供給がある」というコメントに関してである。

AMDの2024年の見通しが過去3ヶ月の間に15億ドル増加したことを考えると、この見通しは年が明けるにつれてさらに増加する可能性があると見ている。

TSMCからもHBMの供給からも、利用可能な容量には上限があるだろう。

そして、それが具体的にいくらかは分からないが、私が推測するに50億ドル程度ではないだろうか。

また、AMDの決算とガイダンスに対する最初の市場の反応はややネガティブで、時間外取引で株価は~6%下落した。

しかし、夜間取引では上昇し、終値はわずか2.5%安となっていた。

そして、現在の株価水準では、AMDの株価は史上最高値を10%下回る水準にある。

結論

AMDは素晴らしい決算を発表したが、ガイダンスに失望した人もいるだろう。

しかし、エンベデッドとゲーミングの弱さを超えて見る必要がある。

なぜなら、AMDにとって、今はデータセンターが全てであり、今後データセンター市場は爆発的に成長すると見ているからである。

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アナリストによる開示:私はAMDに関するロング・ポジションを現在保有しております。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

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アナリスト紹介

William Keatingウィリアム・キーティング
拠点:香港
セクター:半導体・テクノロジー

キーティング氏は、半導体とテクノロジーのリサーチ&コンサルティング会社であるIngenuity (Hong Kong) Ltdの創立者兼CEO。半導体業界において重要性の高いニッチなテーマを専門にする。主に、インテル、AMD、サムスン、アップル、マイクロン等の企業や、ASML、AMAT、キヤノン、ニコンなどの主要機器サプライヤーの製品、ロードマップ、技術に焦点を当てたリサーチ、並びに、コンサルティング・サービスを提供。

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